2011-01-01から1年間の記事一覧

第1回関西の音楽大学オーケストラ・フェスティバル

京都コンサートホールからの案内メールをたまたま見て、今日、音楽大学オーケストラ・フェスティバルが開かれることを知って、行ってみた。 関西の音楽大学ってのは大阪音楽大学、大阪芸術大学、京都市立芸術大学、相愛大学、同志社女子大学、大阪教育大学、…

夜鳴きうぐいす

NHKプレミアムシアターでエクサン・プロバンス音楽祭2010、歌劇「夜鳴きうぐいす」(ストラヴィンスキー)をやっていた。 この夜鳴きうぐいすは、劇場につくられた池(プール)に船を浮かべ、人形遣いが池に入って人形を操るなど、凝った趣向が盛りだくさん…

塩見直紀『半農半X』

『いま、地方で生きるということ』と比べると、硬派のメッセージを発してるのが『半農半X』だろう。 必ずしも「農」じゃなくても良いじゃないか、「半サラリーマン半芸術家」でも一緒じゃないかという向きもあるが、これはやはり「農」であることに意味があ…

西村佳哲『いま、地方で生きるということ』

いま話題になっている、売れているとのスタッフの薦めで読んでみた。 前半は今年5月、被災地をめぐって取ったボランティアの人たちや地元で頑張っている人たちへのへのインタビュー。そこで描かれた人たちは、生き生きとしている。実にしなやかで、強い。 …

真保裕一『デパートへ行こう』

『連鎖』『震源』『ホワイトアウト』など、テロリストやスパイ、国家官僚、政治家が暗躍するサスペンスが得意な真保裕一の作品。 帯には「驚愕の一夜」「名作『ホワイトアウト』を超える、緊張感あふれる大展開!」とあるけど、これは嘘だ。どうみても、サス…

産業復興の様子

関満博さんが『経済セミナー』の増刊号に「被災中小企業の諸類型と復興の課題」を書かれていた。 関さんによると、ものづくりの中小企業は思いの外早く、再稼働しているそうだ。 たとえば岩手〜宮城県北部でも、この20年間ほの間で進出したハイテク系の中…

『観光の目玉』

9月6日の朝日新聞(京都版)に「読書+観光=集客への新手法」という記事が載っていた。 「無料アプリ「ノベルなび」をダウンロードすると、人気ゲーム「かまいたちの夜」の脚本などで知られる我孫子(あびこ)武丸さんらプロ・アマ作家による小説の一覧が…

季刊まちづくり32号「復興まちづくり特集号」

9月1日発売の『季刊まちづくり32号』を読んだ。 今回は全ページ「東日本大震災対応特集号」となっている。 その大部分を占めるのは佐藤滋さんのグループを中心とした特集「復興まちづくりシナリオの提案─市民事業の展開に向けて」だ。 なぜ、市民事業か …

『涼宮ハルヒの分裂』

自宅でパソコンの前に座ると暑くてぐったりしてしまうので、ブログを1ヶ月ほどさぼってしまった。 暑さがぶり返してきたら、また、退却だけど、とりあえず話題を一つ。 流行り物も読まなくては、というので、涼宮ハルヒシリーズを買って読んでみた。といっ…

オペラ三昧

15日にはブライトン・ホテルの無料コンサートで中丸三千繪さんを聞いた。 毎年、来てくれている。今年は足を怪我したとかで、痛々しかった。そのうえ、震災前には地震の夢を見たとか、オカルティックな話ばかりされていた。 中丸さんはブライトンでは後半の…

高木仁三郎『原発事故はなぜくりかえすのか』(岩波新書)

著者は10年ほど前に亡くなられるまで反原発運動の中心にいた人。原子力資料情報室の設立にも参加されている。 その高木さんの絶筆となったこの本は、単に反原発というより、日本の技術、ひいては日本の社会の、「自己点検もなければ相互批判も乏しく」「議…

藻谷浩介×山崎亮対談

12日の藻谷さんと山崎さんの対談が無事終わった。 300人近い参加者も結構満足していただいた様子で、感想を書いて下さった方もとても多かった。 「経済成長がなければ僕たちは幸せになれないのか?」という山崎さんの問いに対する藻谷さんの答で印象的だ…

反原発×映画

先日、同志社の寒梅館に「王様のスピーチ」を見に行ったら、「反原発×映画」というチラシが置いてあった。大阪の九条にあるシネ・ヌーヴォというところで7月末に上映するそうだ。 まず『人魚伝説』。 「原子力発電所の誘致に揺れる漁村を舞台に、推進派に夫…

香山リカ『〈不安な時代〉の精神病理』

この本、帯には「私を、日本を諦めないために」とか「未曾有の出来事を乗り越えるためにできること」と書いてあるが、中身をみると、震災前にほぼ書き終えられていたもののようだ。 ただし「まえがき」や「あとがき」などは震災後に書かれている。 特に「あ…

河田惠昭『津波災害〜減災社会を築く』

昨年12月に出た岩波新書。羨ましい限りのグッド・タイミングの本だ。 もっとも勉強になったのは津波の観測が難しいということ。 今回、第一波が去った後、家に戻ってしまった人が多くなくなったという話がある。津波の状況がリアルタイムで把握できたら、…

復興構想会議の提言」(4)

最後に、提言の最後の「結び」を見てみよう。 これがまた、何を言いたいのか分からない文章だ。 たとえば「(フクシマの)地はまだ色も香もない恐怖の君臨に委ねられている。だから、静かな怒り以上のものにはなりえない」としているが、そうだろうか。 なぜ…

復興構想会議の提言」(3)

今回の復旧・復興の焦点のひとつ、生業の復活については、提言は何を言っているのだろか。 提言は産業について1)企業・イノベーション、2)農林業、3)水産業、4)観光について述べている。 うち2)農林業については、 a)高付加価値化………6次産業化…

復興構想会議の提言」(2)

提言は減災を掲げ、「被害を完全に封じるのではなく、その最小化を主眼とすること。そのため、ハード対策(防波堤・防潮堤の整備等)、ソフト対策(防災訓練、防災教育等)を重層的に組み合わせること」を主張している。 だが、地域類型と復興のための施策を…

復興構想会議の提言」(1)

構想会議の提言『悲惨のなかの希望』を読んだ。 へんなタイトルだと思っていたが、読んでみるとやっぱりヘンだ。 もっとも印象的に悲惨と希望が語られているのは「第3章 原子力災害からの復興に向けて」の(1)序章だ。 そこでは、原発事故を起こりえない…

シャープのビデオの修理

調子が悪くなったビデオの修理を頼んだ。 ビッグカメラの5年補償に入っていたので、無料で直してくれたのは良いのだが、代わりにテレビが映らなくなった。 立ち会っていたワイフが「困る」というと、いろいろといじり回したが直らない。むしろ、どんどん映…

宮廷ミュージカル『宮』

宮廷ミュージカル『宮』を南座で見てきた。 ワイフ曰く、韓国が国を挙げて後押ししているミュージカルなんだそうだ。だから初演は国立中央博物館劇場「龍」。日本の初公演も大劇場ではなく、京都の南座を選んだということだった。 キャストは皇太子のイ・シ…

津波が来れば大阪全滅! 高台で復興!?

今朝の河田さんが連動型の巨大地震による津波が大阪を襲うとどうなるかという地図を発表していた。大阪は上町台地を除いて水浸し、なんと高槻、枚方まで押し寄せるという。(さすがに京都までは来ない。良かった) そんな地震・津波は来て欲しくないが、万が…

緊急インタビュー(6)復興まちづくりプラットフォーム

コミュニティ支援員に加えて、インタビューや5月20日のシンポジウムで「是非、ほしい」と言われたのが「復興プラットフォーム」だ。 ただプラットフォームといっても色々ある。 一つには、そこにいけば被災地のいろいろな情報が手に入るとか、逆に、必要な…

緊急インタビュー(5) コミュニティ支援員

今日の23時のテレビニュースでも、ボランティアが足りないと言っていた。 被災直後は「あご足枕を自ら確保できる人だけに限る」といったことも理解できるが、いまはもう「あご足枕」ぐらいは出してやれよと思う。何のための税金なのか、何のための義捐金な…

[本の紹介]吉村昭『関東大震災』

同じ吉村昭の『三陸海岸大津波』とセットで買った『関東大震災』は暗い本だった。 まず、死者が20万人。 有名な被服廠跡の空地で焼け死んだ人だけでも3万8千人。 しかも、多数の死者を出した原因が、人々が家財道具一式を抱えて逃げ込んだからだというの…

越澤明「震災二ヶ月後のいま、考えるべき事」(続き)

このように納得できることが多い越澤さんの論文だが、「「復旧」とは被災前の姿に戻す現況復旧を指しており、今回の東日本大震災でいえば東北自動車道、仙台空港、東北新幹線の復旧工事がこれに相当する」とされ、続けて「「復興」とは新たな水準のインフラ…

越澤明「震災二ヶ月後のいま、考えるべき事」

『中央公論』2011年6月号(5月10日発売)に越澤さんが書かれた論文。ただしHPに全文載っていたのでタダで読んでしまった。 基本的には共感できるところの多い論文だ。 越澤さんはこの間、復旧が大事と言われ続けていた。 ここでも、「復旧か復興かと言え…

朝日新聞社説「観測網の整備を急げ」(6.13)

3.11以降、いくつかの報告会を聞いたが、一番残念だったのは、津波予報を担当されている方のお話だった。 せっかく避難したのに、第一波が去った後に低地に戻って第二波に巻き込まれたしまった人がいたこと、第一波より、第二波、第三波のほうが強烈だっ…

吉村昭『三陸海岸大津波』

フェースブックで知って、アマゾンで買った。 購入時に50位。売れている。 『戦艦武蔵』や『関東大震災』で名高い吉村昭が、明治、昭和、そしてチリの三度にわたる三陸津波を掘り起こしている。昭和45年(1970年)の作品だ。 明治、そして昭和の津波の記…

緊急インタビュー(4) 被災地とどう向き合うか

まちづくりに関わる者にとって、被災地とどう向き合うかは、避けては通れない問題だ。 小浦久子さんは被災地には「いろんな人がやってきます。お金儲けでやってくる人もいれば、善意でやってくる人もいます。中には、地域のことを知らずに無意識に良いと思っ…