僕の本の紹介
日本でもようやくエコツアーをはじめとしたガイド事業が育ってきている。 なかには、まちの誇りやアイデンティティを取り戻すことを目的とした、非収益事業として行われているものも多いが、中途半端な物もあるし、収益事業を目指しながらもうまく行っていな…
昔、家を探していた時、中古マンションも見に行った。 驚いたことに、平面図すらちゃんとしたものがないマンションが多かった。立地と築年数と見てくれだけが頼りで、構造すら分からない。これじゃ、よほど目利きでないと安心して買えないと、諦めた。 昨今…
東京では違うのかもしれないが、関西では、復興が進んでいるのかどうかすら、さっぱり分からない。 その点、自画自賛になるが、『季刊まちづくり34号』は、震災1年目の現地の状況を「都市計画・まちづくり」という視点から多面的に紹介している。ああ、や…
本書は「結果自然成(けっかじねんになりる)」の「都市・まちづくり学」を一から十まで解説しているかというと、そうではない。そういった姿勢で従来の都市計画・まちづくりを見渡してみて、これは鍵になりそうだという話題を拾い、光を当て直している。だ…
この本は都市計画学会関西支部の20周年記念事業として、久隆浩さんを始めとする新しい都市計画教程研究会が取り組み上梓されたものだ。 その執筆の過程で、この春に「近未来の都市計画教科書制作 ミニ・ワークショップ」として執筆概要を報告頂き、公開で…
都市をつくるとは、どういうことか(続く) 昨日も「つくる」という言葉にこだわったが、今日はもう少し「都市をつくる仕事」の中味を見てみたい。 都市をつくる仕事は、都市計画、都市開発とはイコールではないだろう。 都市に関わっている、魅力的にしてい…
若手の仕事観が分かる本 本書は先日紹介した『都市・まちづくり学入門』とともに、日本都市計画学会関西支部20周年を記念して上梓された本だ。身内では『都市・まちづくり学入門』は中堅本、こちらは若手本と呼んでいた。というのは書き手が前者が一人を除…
『食旅と観光まちづくり』に続く食旅シリーズ、第二弾。 食旅というのは「食」を主目的とした旅でフードツーリズムとほぼ同じ意味だ。 一方、農商工連携は昨今の政策用語で、農業など一次産業と二次、三次産業がそれぞれの強みを生かして地域の特産物を生み…
昨日は、人手をかけることの重要性の指摘だった。 今日紹介する経験価値も、多くの場合、人手をかけることで提供できる物だ。 経験価値 経験価値がこれからの流れだと原稿に書かれていた。 大量生産大量消費が飽きられ、単に所有することでは満足が得られな…
12月に出版する標記の本の校正を読んだ。 編者は石井淳蔵(流通科学大学学長)と高橋一夫(流通科学大学サービス産業学部 教授)。石井さんはマーケティングではトップクラスの学者だ。 もともとは観光業界の若い人たちが夢をもてるように「明るい観光の未…
椎川忍さんの『緑の分権改革(仮称)』の校正を読み終えた。 緑の分権改革というのは、民主党が政権を取ったあと、総務大臣になった原口一博さんが打ち上げた構想で、クリーンエネルギーとIT、食料、歴史文化資産等の地域資源、地域の人材を最大限活用しなが…
9月6日の朝日新聞(京都版)に「読書+観光=集客への新手法」という記事が載っていた。 「無料アプリ「ノベルなび」をダウンロードすると、人気ゲーム「かまいたちの夜」の脚本などで知られる我孫子(あびこ)武丸さんらプロ・アマ作家による小説の一覧が…
9月1日発売の『季刊まちづくり32号』を読んだ。 今回は全ページ「東日本大震災対応特集号」となっている。 その大部分を占めるのは佐藤滋さんのグループを中心とした特集「復興まちづくりシナリオの提案─市民事業の展開に向けて」だ。 なぜ、市民事業か …
震災&原発事故とまちづくりについてインタビューをして回っていたら、ブログを書く時間が取れなくなった。 そろそろ復活したいのだけど、インタビューの整理も進まない・・・。 というわけで、震災前に書いたまま出しそびれていた僕の本の紹介です。 企画の…
山崎さんとの今までの仕事(続き) 『季刊まちづくり29号』「民間企業が地域のためにできること」 これは最近の注目の仕事、マルヤガーデンズを書かれたものだ。 鹿児島の中心市街地・天文館地区にあったデパート、鹿児島三越は、元は地元の呉服屋からデパ…
『撤退の農村計画』 昨年の秋、スタッフの中木さんが取り組んだ『撤退の農村計画』(2010)でも山崎亮さんに原稿書いていただいた。 いま、東日本大震災と原発事故が重なり、避難が喫緊の課題になっている。寄稿いただいた「仮設住宅の入居方法に学ぶ集落移…
ここでガンガン書きたいところだが、『コミュニティ・デザイン』はまだ校正段階なので、今回は発表済みの原稿を『コミュニティデザイン』と絡めながら紹介したい。 山崎さんとの今までの仕事 『テキスト ランドスケープデザインの歴史』 昨年の秋、井口さん…
今、心底、元気を与えてくれる原稿 スタッフの井口さんが企画し、社をあげて制作している山崎亮さんの『コミュニティ・デザイン』を読んだ。 世の中、本当に暗いというか、気が重くなるような話ばかりの今、心底、元気を与えてくれる原稿だった。 今、未曾有…
この本は昨年9月に行った蓑原敬さんのセミナーを収録したもので、『都市計画 根底から見なおし新たな挑戦へ』を深める副読本でもある。 電子書籍屋さんであるボイジャーにデータを渡したあとに災害がおこり、ボイジャーも被災した。そのため予定より遅れ、…
ほんとは大方さんのセミナーの紹介をする前に、アップする筈だったのだが、すっかり忘れていた本体の紹介。 順番が逆になって、随分経ってしまったけど、アップします。 どんな本か この本は2000年に出版した『都市計画の挑戦』の執筆者に、蓑原さんに呼びか…
もう一つ、安藤元夫さんの『阪神・淡路大震災 復興都市計画事業・まちづくり』では、「14章 淡路・北淡町富島地区の復興まちづくり支援」(p323〜328)に漁村集落の例が書かれている。 ここは地震前は都市計画区域外だったのだが、どういうわけか、地震を契…
僕たちが持っている阪神淡路大震災からの復旧・復興関連書籍のPDF化が、ほぼ終わった。 http://www.gakugei-pub.jp/higasi/index.htm お役に立てると良いのだが、阪神淡路大震災は大都市・神戸が中心だったし、『提言! 仮設市街地』も主に東京を想定してい…
僕たちは、最近、地域振興のためには、地域の自立と産業化が必要であり、そのためにも地域内経済循環が必要だと主張する本を出し続けてきた。『農と食のフロンティア』、『創造都市のための観光振興』『これで分かる 着地型観光』など、みんな基本は一緒だと…
東北・関東大地震の復旧・復興に少しでも役立てばということで、著者のご厚意を得て学芸出版社がもつ関連書籍をPDF化して、HPで無料公開することにした。 http://www.gakugei-pub.jp/higasi/index.htm そのなかでも復旧期にもっとも役立つのが、この本だろう…
本書紹介の最終日、少し感想めいたことを付け加えて終わることにしたい。 日弁連の意見書 都市住民にとって身近な都市計画は、マンション紛争に代表されるように、住宅地のど真ん中に超高層ビルを建てることを唆したり、あるいは規制する制度というところだ…
昨日は大西さんの1章の、ほんの出だし部分を紹介した。 今日は、途中を一気に飛ばして、大西さんによる最終章「これからのまちづくりと法制度」を紹介しよう。 政権奪取後の民主党 この章では、最初に民主党の政策INDEX 2009への期待と、政権奪取後の迷走ぶ…
本書の第1章で大西さんは都市計画法の基本を次のように整理している。 都市計画法を構成すべき要素は、(1)都市計画の決定や実施の主体、(2)都市の将来像と管理、(3)都市計画の具体内容、(4)都市計画の財源、だという。 特に(3)都市計画の具体内容については…
本書は東大まちづくり大学院シリーズの3巻目。 『低炭素』『広域計画』につづき、『都市計画』をとりあげた。 度肝を抜かれたのは2100年までの人口予測等を示した図2(p242)だった。なんと2100年には人口が4000万近くまで減っているではないか。 その上、…
3事例を紹介したが、なんだか趣味で偏った事例を取り上げてしまったような気がするので、最後に長坂さんの本の目次を紹介しておこう。ただし校正中なので、今後変わるかも知れない点、お忘れなく。 発売は4月だが、3月26日に京都でセミナーを開く。 前日の…
上乃裏通り 最後は熊本市の「上乃裏通り(かみのうら)」エリアを紹介しよう。 実はこの街のことを初めて知ったのは8年ほどまえ、藻谷浩介さんの幻に終わった原稿だった。「これだ!」と思ったことを覚えている。 昨年の藻谷浩介さんのセミナーでは残念なこ…