緊急インタビュー(4) 被災地とどう向き合うか


 まちづくりに関わる者にとって、被災地とどう向き合うかは、避けては通れない問題だ。


 小浦久子さんは被災地には「いろんな人がやってきます。お金儲けでやってくる人もいれば、善意でやってくる人もいます。中には、地域のことを知らずに無意識に良いと思ってやっていることがヒドイことになったというのもあります」と指摘している。


 役に立ちたいという気持ちは貴いけれど、その気持ちが強ければ強いほど、下手をすると理想を押しつけることになりかねない。


 だから、あえて専門家としては関わらないという選択もありうるだろう。
 たとえば、阪神淡路大震災のとき、関西大学の丸茂弘幸先生は、まっさきに「邪魔しちゃいけない」と思い、その後もその姿勢を貫かれた。


 それも1つの選択肢だと思う。
 でも関わるんだという時、どんな姿勢が良いのだろうか。


 先ほどの小浦さんは「「与えられるもの」ではなく「獲得するもの」と感じられるように」すべきだと言われ、久隆浩さんは「被災者自身が復興を担える形での支援」が必要だとされている。


 「「スプーンフィード」と言う言葉があるんですけど、口を開けて待っていたら食べ物を運んでくれるという状況に慣れてしまったら、被災者の方々にとっても気の毒な話です。むしろ、被災者自身が世の中の役に立つという状況を作ることは、被災者自身を支える上でもとても大事なこと」(土居勉)というのは共通の認識だろう。


 「専門家が地元に寄り添う形でじっくりと入れる体制が欲しい」(久隆浩)のだが、それは完全看護という意味ではない。むしろリハビリのチームアプローチみたいな感じなのだろう。


 では、具体的にはどういうことか。「今動いている人たちを支援し、そういう人たちと連携できる方法が見えなければ、復興まちづくりはあり得ない」「それを見極める力がいるし、連携できるところに切り込んでいかなければいけない」という真野洋介さんの言葉が、もっとも分かりやすいように思った。


(続く)