2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

蓑原敬編著『都市計画 根底から見なおし新たな挑戦へ』〜連続セミナー第1弾

『都市計画根底から見なおし新たな挑戦へ』は近代都市計画を脱構築し、閉塞を打破しようという本だ。 だが、残念ながら改革は天から降ってきそうにはない。 政権交代前に都市計画法の改正を準備していた国交省の石井喜三郎氏へのインタビューをした八甫谷氏…

まちづくり市民事業(7)

まちづくり市民事業の連鎖とは まちづくり市民事業とは何かについてだが、佐藤滋さんは、入口は非常に広くとらえておられる。 いままで建築や都市計画で語られるまちづくりは、言っても行政による都市計画があって、それに対する補完だったり、反対だった。…

まちづくり市民事業(6)

6 まちづくり市民事業が拓く世界 6-1 都市・地域のガバナンスとしての連帯モデル 5-5で示唆されたのは、「自律した地域のまちづくりパートナーシップ組織が連携し、自治体政府とともに役割分担をして地域を運営する」共治の姿である。 このとき、公共事業予…

松浦晃一郎著『世界遺産〜ユネスコ事務局長は訴える』

佐藤滋さんの『まちづくり市民事業』、さすがに続けすぎというので、今日は別の話題にしよう。 これは、前ユネスコ事務局長の松浦さんが在職当時に書いた本だ。 世界遺産の考え方を知るには佐滝剛弘さんの『「世界遺産」の真実---過剰な期待、大いなる誤解 …

まちづくり市民事業(5)

5 まちづくり市民事業の地域展開モデル では実際にどのようにまちづくり市民事業は展開されているのか。 5-1 共有されたビジョンの元で、まちづくり市民事業が連携する 鶴岡市の中心市街地では都市計画マスタープランづくりのなかで地方の城下町都市として…

まちづくり市民事業(4)

3 まちづくり市民事業の5つの原則 佐藤さんは「まちづくり市民事業を排他的に定義する必要はない」としつつも、議論を拡散させないために、できれば備えているべきこととして、下記の五つの原則を掲げている。 3-1 地域協働の運営体制 「地域とともに支え…

まちづくり市民事業(3)

2-4 まちづくり市民事業のミッションと5つの類型 まず、まちづくり市民事業の主なミッションとして ・地域に安心して住み続けるための共同の住まいづくり ・町並み形成や歴史的建築の保全・活用 ・市民活動やまちなかの拠点形成 ・共用空間(コモンズ)の創造…

まちづくり市民事業(2)

2 まちづくり市民事業が生まれる 2-1 まちづくり市民事業とは 佐藤さんは、まちづくり市民事業とは何かに入る前に、市民事業について、「広義の社会的企業が担う事業と同様の流れの中にある」とされたうえで「地域社会に立脚した市民により、地域の資源と需…

まちづくり市民事業(1)

今、早稲田大学の佐藤滋さんを中心に『まちづくり市民事業』という本を書いて頂いている。昨年の12月後半は、この本の原稿の詰めで、日々、メールが飛び交った。 佐藤滋さんには「いつも、こんなに色々と注文をつけるの?」と聞かれてしまった。 正直なと…

三橋重昭『よみがえる商店街〜五つの賑わい再生力』

出版の経緯と内容 この本は商店街活性化のアドバイザーとして、またNPO法人まちづくり協会や現代まちづくり塾の仕掛け人として著名な三橋さんが雑誌「専門店」に書かれた連載をベースとしたものだ。 実は、一度、僕からお願いをしてまとめ直しの承諾も得…

関満博さん『「農」と「食」のフロンティア〜中山間地域から元気を学ぶ』出版(3)

集落営農で女性たちが自立していく さらに、僕にとっては意外だったのだが、集落営農は女性たちに大きな影響を与えたという点だ。 一般に農家の女性は、家事、育児、農業、そして年老いた両親のすべてをになっていて、とても忙しい。だが、法人化することに…

関満博さん『「農」と「食」のフロンティア〜中山間地域から元気を学ぶ』出版(2)

集落営農 今日は、いままで余り紹介しなかった集落営農について書いてみよう。 集落営農とは「農業をはじめ地域が直面している諸問題を解決し、人びとが張り合いをもって働き、いきいきと暮らし続けることができるようにするため、地域や集落で相談し、話し…

関満博さん『「農」と「食」のフロンティア〜中山間地域から元気を学ぶ』出版(1)

**いよいよ出版 10月15日に紹介した関満博さんの『「農」と「食」のフロンティア』を、今年1月1日に発売した。 関さんは産業論、中小企業論、地域経済論を専門とする経営学者で、徹底して現場を足で歩くタイプの方だ。その仕事スタイルは『現場主義の知的…

京町家再生の拠点・斧屋オープニング

WMF資金で再生された町家再生の拠点 今日は京町ネットの活動拠点、斧屋のお披露目ということで、覗いてきた。 斧屋は釜座町の町家(ちょういえ)。 町家(ちょういえ)は町の集会所みたいなもので、普通は町内会が所有し、会合や地蔵盆などに使われている。 …

風景が人をつくりのか、人が風景をつくるのか

昨年末、12月25日の都市環境デザインセミナーは「イタリアの都市から学ぶ日本の都市へのメッセージ」だったが、そのなかで報告者である井口勝文さんが最後にこの問いを出された。 そして、「僕(井口)は風景が人をつくると断言する」と言われた。 もちろん…

古池嘉和『地域の産業・文化と観光まちづくり』出版(2)

**池上惇さんへのインタビュー〜商品化とは〜 古池嘉和さんは池上惇さんに、そうは言っても観光が商品として市場で取り引きされている以上、価格による価値付けが進むのではないかとと尋ねている。 池上さんは「契約当事者の主体を問う必要がある」「安価で…

古池嘉和『地域の産業・文化と観光まちづくり』出版(1)

いよいよ出版 10月15日に紹介した古池嘉和さんの観光振興論、書名をどうしようか悩んでいると書いたが、『地域の産業・文化と観光まちづくり〜創造性を育むツーリズム』として1月1日に発売した。 10月15日には、「この本の狙いは決まっている」「地域経済…

スケルトン定借にようやく新方式が

スケルトン定借普及センターからニュースレターが届いた。 このスケルトン定借は、別名つくば方式とも言い、定期借地権に譲渡特約をつけ、くわえて建物はスケルトンインフィル住宅とするというややこしい方式なのだが、実は僕の家はこの方式だ。 実は『スケ…

金剛流謡初式

家の近くの能楽堂の謡初式を聞きに行ってきた。 まず神歌。 何語か見当もつかない。正月に一族郎党勢揃いという感じで謡うのだから、神を言祝ぐ歌なのだろうか。 次は仕舞い。「鶴亀」「八島」「雪キリ」「鞍馬天狗」。休憩をはさんで、また仕舞い「西王母」…

雪のジルベスター・コンサート

夜、8時半、自宅を出てびわ湖ホールに向かう。 地下鉄や京津線は順調に動いていた。 逢坂を超えると、京津線の駅が雪に覆われている。 嫁さんが「車が動いていないよ」という。 確かに、そうだ。道路は車がいっぱいだが、動いている様子がない。 予定通り、…