金剛流謡初式


 家の近くの能楽堂の謡初式を聞きに行ってきた。
 
 まず神歌。
 何語か見当もつかない。正月に一族郎党勢揃いという感じで謡うのだから、神を言祝ぐ歌なのだろうか。


 次は仕舞い。「鶴亀」「八島」「雪キリ」「鞍馬天狗」。休憩をはさんで、また仕舞い「西王母」「田村クセ」「葛城キリ」「岩船キリ」。
 オペラグラスで拡大してみると、なかなか不思議な雰囲気で面白いが、ずーと見ているほど気力が続かない。基本的には眠い。とても心地よい。


 最後は「高砂」、「高砂や この浦舟に 帆を上げて」ぐらいまでは聞き取れるが、あとはさっぱり。ただ舞は美しい。心地よい眠気と舞台上の緊張感がなんとも言えないコントラスト。太鼓や笛がいつものように盛り上げる。


 というわけで、今年も中味は分からないままに、夢見心地の時間を過ごさせてもらった。
 とういうわけか、やたらに人が多くて満員という感じ。ちらっと小耳にはさんだ能楽堂の人の話では、新記録ではないかとのこと。「天気が良かったからかな?」と言っていたが、そうだろうか。不景気だから「入場無料」というのが効いたのかも。


 おかげで、込んでしまって御神酒にたどり着く前に諦めてしまった。
 去年までは振る舞い酒に並んでいる人なんかいなかったように思うのだが、残念。