2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

オペラ三昧

15日にはブライトン・ホテルの無料コンサートで中丸三千繪さんを聞いた。 毎年、来てくれている。今年は足を怪我したとかで、痛々しかった。そのうえ、震災前には地震の夢を見たとか、オカルティックな話ばかりされていた。 中丸さんはブライトンでは後半の…

高木仁三郎『原発事故はなぜくりかえすのか』(岩波新書)

著者は10年ほど前に亡くなられるまで反原発運動の中心にいた人。原子力資料情報室の設立にも参加されている。 その高木さんの絶筆となったこの本は、単に反原発というより、日本の技術、ひいては日本の社会の、「自己点検もなければ相互批判も乏しく」「議…

藻谷浩介×山崎亮対談

12日の藻谷さんと山崎さんの対談が無事終わった。 300人近い参加者も結構満足していただいた様子で、感想を書いて下さった方もとても多かった。 「経済成長がなければ僕たちは幸せになれないのか?」という山崎さんの問いに対する藻谷さんの答で印象的だ…

反原発×映画

先日、同志社の寒梅館に「王様のスピーチ」を見に行ったら、「反原発×映画」というチラシが置いてあった。大阪の九条にあるシネ・ヌーヴォというところで7月末に上映するそうだ。 まず『人魚伝説』。 「原子力発電所の誘致に揺れる漁村を舞台に、推進派に夫…

香山リカ『〈不安な時代〉の精神病理』

この本、帯には「私を、日本を諦めないために」とか「未曾有の出来事を乗り越えるためにできること」と書いてあるが、中身をみると、震災前にほぼ書き終えられていたもののようだ。 ただし「まえがき」や「あとがき」などは震災後に書かれている。 特に「あ…

河田惠昭『津波災害〜減災社会を築く』

昨年12月に出た岩波新書。羨ましい限りのグッド・タイミングの本だ。 もっとも勉強になったのは津波の観測が難しいということ。 今回、第一波が去った後、家に戻ってしまった人が多くなくなったという話がある。津波の状況がリアルタイムで把握できたら、…

復興構想会議の提言」(4)

最後に、提言の最後の「結び」を見てみよう。 これがまた、何を言いたいのか分からない文章だ。 たとえば「(フクシマの)地はまだ色も香もない恐怖の君臨に委ねられている。だから、静かな怒り以上のものにはなりえない」としているが、そうだろうか。 なぜ…

復興構想会議の提言」(3)

今回の復旧・復興の焦点のひとつ、生業の復活については、提言は何を言っているのだろか。 提言は産業について1)企業・イノベーション、2)農林業、3)水産業、4)観光について述べている。 うち2)農林業については、 a)高付加価値化………6次産業化…

復興構想会議の提言」(2)

提言は減災を掲げ、「被害を完全に封じるのではなく、その最小化を主眼とすること。そのため、ハード対策(防波堤・防潮堤の整備等)、ソフト対策(防災訓練、防災教育等)を重層的に組み合わせること」を主張している。 だが、地域類型と復興のための施策を…

復興構想会議の提言」(1)

構想会議の提言『悲惨のなかの希望』を読んだ。 へんなタイトルだと思っていたが、読んでみるとやっぱりヘンだ。 もっとも印象的に悲惨と希望が語られているのは「第3章 原子力災害からの復興に向けて」の(1)序章だ。 そこでは、原発事故を起こりえない…