まちづくり

プランナーとプレイヤーの両立は可能か?

4月以来、ブログに手を掛けるヒマと元気がなくなって、書いてあったものもアップするのを忘れていた。 というわけで時期遅れだけど、せっかくだからアップしておこ。 ※ 2012年度第3回都市環境デザインセミナー「プランナーとプレイヤーの両立は可能か?」…

「都市をつくる仕事」の未来に迫る Crosstalk#3

久隆浩と「なる都市」の方々〜まちづくりで飯が喰える時代がくる!くる? 「都市をつくる仕事」の未来に迫る Crosstalk#3が4月12日に行われた。 今回はおとなしめのイントロと、久さんの「都市・まちづくりは「お金と権力」から「共感・関与」の領域へ」…

「都市をつくる仕事」の未来に迫る Crosstalk#2

「まち飯」の面々〜いま、都市をつくる仕事に、もの申す 「都市をつくる仕事」の未来に迫る Crosstalk#2が4月5日に行われた。 山崎義人さんと谷亮治さんの絶妙なパフォーマンスで始まったCrosstalk。スタッフの岩切さんが報告するので、僕は思いつきを書…

花街の建築と景観+舞妓さん遊び

新潟大学の岡崎さんに誘われて弘道館で行われた「花街の建築と景観」というセミナーに嫁さんと一緒に出かけた。お目当ては終わってからの舞妓さん遊び体験。二人とも一度も経験したことがないし、一生に一度ぐらいは体験したい、というのでいさんで出掛けた…

なる都市計画・まちづくりとは 〜 『都市・まちづくり学入門』セミナー

1月26日、『都市・まちづくり学入門』の出版記念を兼ねて、「なる都市計画・まちづくりとは」何かを論じ合うセミナーを開いた。 著者も、どうしてもこれなかった一人を除いて参加くださり、会場には予想以上の人が集まってくださった。感謝。 本書は「人口…

飯田哲也『原発の終わり、これからの社会 エネルギー政策のイノベーション』

これはスタッフの宮本さんが、飯田さんにアタックしてものにした本だ。 専門誌に寄稿されたものを中心に再構成したので、飯田さんの本としてはやや硬派かもしれないが、より詳しく知りたい人にはお薦めしたい。 それはともかく、本書のうち、僕が注目したい…

岸川政之著『高校生レストランの奇跡』

三重県に高校生のお店ができて流行っている。町おこしの成功例だという話は聞いていたが、総務省の京都セミナーで仕掛け人の岸川さんのお話を初めて聞くことができた。 当日は、高橋一夫さんも講演され、また椎川さんの紹介もあって、関連書※0を売るべく受…

チェスター・リーブス著『世界が賞賛した日本の町の秘密』

訳者の服部圭郎さんからお送り頂いた。 開けてみると「ママチャリ絶賛」の本だった。面白くて、合間を見て読み通してしまった。 ママチャリという安価で環境に優しく健康にも良い移動手段で、日常的な移動の多くがすませてしまえる「自転車町内」の素晴らし…

総合計画と都市マス(2)

薄められる創業計画の価値観 言葉が置き換えられることによって、違和感が生じているのは、特に「経済」だ。 京プランにある「環境と社会に貢献する産業」「真のワーク・ライフ・バランス」が経済に関する将来像とされているが、都市マスは「活力ある都市」…

総合計画と都市マス(1)

11月1日付の『市民しんぶん』に総合計画にあたる「はばただけ未来へ! 京プラン」実施計画と、都市計画マスタープランの案(概要)が載っていた。これからパブリックコメントに掛けるそうだ。 市民の義務として、なにか意見をいわなきゃいかんのだろうな〜と…

風俗店規制と景観保全

文教施設の200m以内で風俗案内所の禁止を定めた京都府「風俗案内所の規制に関する条例」の施行1周年ということで、京都新聞にレポート記事が載っていた。 記事の趣旨は、無料案内所はなくなったが、キャッチと呼ばれる路上での集客が増えたというものだ…

自転車の走行対策を厳格化2

先日、触れた自転車の走行対策の厳格化だが、下記にある警察庁の通達の原文を読んでみた。 http://www.npa.go.jp/koutsuu/kikaku/bicycle/taisaku/tsuutatu.pdf 歩道上での自転車の無法振りが目に余るから車道に追い出そうとしているような言い方が前面に出…

自転車の走行対策を厳格化

10月26日の新聞が警察庁が歩道走行対策を厳格化すると一斉に伝えていた。 歩道上の走行を認める要件も従来の2mから3mに変えるそうだ。 歩道は歩行者のものだ。車道を走るべきだ。朝日新聞は社説で自転車が犠牲になる事故が相次いだ時「緊急的に歩道走行…

真保裕一『デパートへ行こう』

『連鎖』『震源』『ホワイトアウト』など、テロリストやスパイ、国家官僚、政治家が暗躍するサスペンスが得意な真保裕一の作品。 帯には「驚愕の一夜」「名作『ホワイトアウト』を超える、緊張感あふれる大展開!」とあるけど、これは嘘だ。どうみても、サス…

産業復興の様子

関満博さんが『経済セミナー』の増刊号に「被災中小企業の諸類型と復興の課題」を書かれていた。 関さんによると、ものづくりの中小企業は思いの外早く、再稼働しているそうだ。 たとえば岩手〜宮城県北部でも、この20年間ほの間で進出したハイテク系の中…

『観光の目玉』

9月6日の朝日新聞(京都版)に「読書+観光=集客への新手法」という記事が載っていた。 「無料アプリ「ノベルなび」をダウンロードすると、人気ゲーム「かまいたちの夜」の脚本などで知られる我孫子(あびこ)武丸さんらプロ・アマ作家による小説の一覧が…

季刊まちづくり32号「復興まちづくり特集号」

9月1日発売の『季刊まちづくり32号』を読んだ。 今回は全ページ「東日本大震災対応特集号」となっている。 その大部分を占めるのは佐藤滋さんのグループを中心とした特集「復興まちづくりシナリオの提案─市民事業の展開に向けて」だ。 なぜ、市民事業か …

藻谷浩介×山崎亮対談

12日の藻谷さんと山崎さんの対談が無事終わった。 300人近い参加者も結構満足していただいた様子で、感想を書いて下さった方もとても多かった。 「経済成長がなければ僕たちは幸せになれないのか?」という山崎さんの問いに対する藻谷さんの答で印象的だ…

室崎益輝さんの講演

京都の総合地球環境学研究所(地球研)が主催した室粼益輝さんの「東日本大震災−被災者主体の復興への道筋」(5.19)という講演を聞いてきた。 被災地に仮設市街地をつくれ! 一番興味深かったのは、国の方針を真っ向から批判し、津波にやられてしまった市街…

まだ続く景観破壊・相国寺門前町のマンション

近くで「景観破壊反対」の看板を見つけたので現場を見に行ってきた。 写真は三井のモデルハウスの現地案内所を兼ねている事務所にべたっと張り出された看板。せっかく苦労して京都にあったプレハブを売っているのに、その目と鼻の先で、怪しからんという気持…

佐々木一成『地域ブランドと魅力あるまちづくり』いよいよ出版(2)

統合ブランドとしての京都 佐々木さんは本書の最後で統合ブランドを京都を例に論じている。 ここでは、その議論を紹介しよう。 京都という地域性 言うまでもなく京都は歴史と文化に恵まれ、山紫水明も随一だ。 伝統産業も根付いているが、同時に、それらを広…

佐々木一成『地域ブランドと魅力あるまちづくり』いよいよ出版(1)

本の狙い 地域ブランド本は数ある中で、まちづくりとの相乗効果に着目して書かれた初めての本だ。 その概要は草稿が上がった8月末に「特報・『地域ブランドと魅力あるまちづくり』」で紹介した。 そのポイントを繰り返せば、その地域がもつ地域資源(自然、…

まちづくり市民事業(7)

まちづくり市民事業の連鎖とは まちづくり市民事業とは何かについてだが、佐藤滋さんは、入口は非常に広くとらえておられる。 いままで建築や都市計画で語られるまちづくりは、言っても行政による都市計画があって、それに対する補完だったり、反対だった。…

まちづくり市民事業(6)

6 まちづくり市民事業が拓く世界 6-1 都市・地域のガバナンスとしての連帯モデル 5-5で示唆されたのは、「自律した地域のまちづくりパートナーシップ組織が連携し、自治体政府とともに役割分担をして地域を運営する」共治の姿である。 このとき、公共事業予…

まちづくり市民事業(5)

5 まちづくり市民事業の地域展開モデル では実際にどのようにまちづくり市民事業は展開されているのか。 5-1 共有されたビジョンの元で、まちづくり市民事業が連携する 鶴岡市の中心市街地では都市計画マスタープランづくりのなかで地方の城下町都市として…

まちづくり市民事業(4)

3 まちづくり市民事業の5つの原則 佐藤さんは「まちづくり市民事業を排他的に定義する必要はない」としつつも、議論を拡散させないために、できれば備えているべきこととして、下記の五つの原則を掲げている。 3-1 地域協働の運営体制 「地域とともに支え…

まちづくり市民事業(3)

2-4 まちづくり市民事業のミッションと5つの類型 まず、まちづくり市民事業の主なミッションとして ・地域に安心して住み続けるための共同の住まいづくり ・町並み形成や歴史的建築の保全・活用 ・市民活動やまちなかの拠点形成 ・共用空間(コモンズ)の創造…

まちづくり市民事業(2)

2 まちづくり市民事業が生まれる 2-1 まちづくり市民事業とは 佐藤さんは、まちづくり市民事業とは何かに入る前に、市民事業について、「広義の社会的企業が担う事業と同様の流れの中にある」とされたうえで「地域社会に立脚した市民により、地域の資源と需…

まちづくり市民事業(1)

今、早稲田大学の佐藤滋さんを中心に『まちづくり市民事業』という本を書いて頂いている。昨年の12月後半は、この本の原稿の詰めで、日々、メールが飛び交った。 佐藤滋さんには「いつも、こんなに色々と注文をつけるの?」と聞かれてしまった。 正直なと…

三橋重昭『よみがえる商店街〜五つの賑わい再生力』

出版の経緯と内容 この本は商店街活性化のアドバイザーとして、またNPO法人まちづくり協会や現代まちづくり塾の仕掛け人として著名な三橋さんが雑誌「専門店」に書かれた連載をベースとしたものだ。 実は、一度、僕からお願いをしてまとめ直しの承諾も得…