2011-03-01から1ヶ月間の記事一覧

山崎亮『コミュニティ・デザイン』(3)

『撤退の農村計画』 昨年の秋、スタッフの中木さんが取り組んだ『撤退の農村計画』(2010)でも山崎亮さんに原稿書いていただいた。 いま、東日本大震災と原発事故が重なり、避難が喫緊の課題になっている。寄稿いただいた「仮設住宅の入居方法に学ぶ集落移…

山崎亮『コミュニティ・デザイン』(2)

ここでガンガン書きたいところだが、『コミュニティ・デザイン』はまだ校正段階なので、今回は発表済みの原稿を『コミュニティデザイン』と絡めながら紹介したい。 山崎さんとの今までの仕事 『テキスト ランドスケープデザインの歴史』 昨年の秋、井口さん…

山崎亮『コミュニティ・デザイン』(1)

今、心底、元気を与えてくれる原稿 スタッフの井口さんが企画し、社をあげて制作している山崎亮さんの『コミュニティ・デザイン』を読んだ。 世の中、本当に暗いというか、気が重くなるような話ばかりの今、心底、元気を与えてくれる原稿だった。 今、未曾有…

電子版まちづくり新書1『激論 都市計画を根底から変えられるか』

この本は昨年9月に行った蓑原敬さんのセミナーを収録したもので、『都市計画 根底から見なおし新たな挑戦へ』を深める副読本でもある。 電子書籍屋さんであるボイジャーにデータを渡したあとに災害がおこり、ボイジャーも被災した。そのため予定より遅れ、…

蓑原敬編著『都市計画 根底から見なおし新たな挑戦へ』

ほんとは大方さんのセミナーの紹介をする前に、アップする筈だったのだが、すっかり忘れていた本体の紹介。 順番が逆になって、随分経ってしまったけど、アップします。 どんな本か この本は2000年に出版した『都市計画の挑戦』の執筆者に、蓑原さんに呼びか…

漁村の復興(2)

もう一つ、安藤元夫さんの『阪神・淡路大震災 復興都市計画事業・まちづくり』では、「14章 淡路・北淡町富島地区の復興まちづくり支援」(p323〜328)に漁村集落の例が書かれている。 ここは地震前は都市計画区域外だったのだが、どういうわけか、地震を契…

漁村の復興(1)

僕たちが持っている阪神淡路大震災からの復旧・復興関連書籍のPDF化が、ほぼ終わった。 http://www.gakugei-pub.jp/higasi/index.htm お役に立てると良いのだが、阪神淡路大震災は大都市・神戸が中心だったし、『提言! 仮設市街地』も主に東京を想定してい…

文楽「曽根崎心中」、創作オペラ「双子の星」

20日から連休だった。 初日は会社に過去の震災関連書籍の整理に出ていった。 ランチに出てみると、京都駅前の人出は結構多い。普段は閑散としてるヨドバシカメラの1階店舗にも少し人が入っているし、烏丸通りを歩く人も多い。 どうも親鸞聖人の遠忌に来た…

『提言! 仮設市街地』(2)

僕たちは、最近、地域振興のためには、地域の自立と産業化が必要であり、そのためにも地域内経済循環が必要だと主張する本を出し続けてきた。『農と食のフロンティア』、『創造都市のための観光振興』『これで分かる 着地型観光』など、みんな基本は一緒だと…

『提言! 仮設市街地』(1)

東北・関東大地震の復旧・復興に少しでも役立てばということで、著者のご厚意を得て学芸出版社がもつ関連書籍をPDF化して、HPで無料公開することにした。 http://www.gakugei-pub.jp/higasi/index.htm そのなかでも復旧期にもっとも役立つのが、この本だろう…

小田実『何でも見てやろう』(2)

近代主義礼賛 今日も原発事故のニュースが続く。 原発立地の是非をめぐる住民投票を中止した串間市の野辺市長は、投票について「安全性が確保できるまではやるべきでない」と説明したとのことだ(http://mainichi.jp/area/miyazaki/news/20110315ddlk4501048…

小田実『何でも見てやろう』(1)

原発がせめて危機を脱することを祈りつつ、普通の話題に戻ろう。 山口誠『ニッポンの海外旅行〜若者と観光メディアの50年史』の紹介で出てきた小田実の『何でも見てやろう』を読んなおしてみた。 この本はのちにベ平連のリーダーとして有名になった小田実が…

原子力の安全性(2)

15日朝、今度は8000マイクロシーベルトを超える。 もう、ここまで来たら文句を言う気にもならない。祈るしかない。 昼、100mmシーベルト。昨日までは1000マイクロシーベルトとか言っていたのに。 桁が違ってきている。 夜、ツィッターで二つの情報を見つ…

原発の安全性

津波は本当に恐い。 一方、原発は本当に困りもの。 いまは批判をすべきときではないと思うが、それにしても、テレビで「原発は安全だ。間違いない。しかし今回は設計の想定外のことだった。安全だというのは設計の想定内なら安全だという意味だ」と言ってい…

グーグルの写真

津波前後の写真、ダイジェスト版を見た。 そうなんだろうと想像はしていたが、やはり集落が跡形もなくなっている箇所がある。 そこに住んでいた人たちは無事に逃げられたのだろうか。 思わず、胸が苦しくなって、祈ってしまった。 http://picasaweb.google.c…

京都は今日も平穏無事だが

今日も京都は平穏無事。 昨日は、近くのホールALTYで創作舞踊「ゆきおんな」「オンディーヌ」(アルティ・ダンス・カンパニー 第7回公演)を見に行った。 福島原発が爆発し、炉心がどうなっているのか官房長官もまだ分からないと言っていたが、聞いていても…

過去の復興資料を公開します

なんか、とんでもないことが起こっているようだ。 M8.8なんて、誰も想定していなかったのではないか。日本全体でも数百年〜千年オーダーの規模。 まずは何をしたら良いのだろう。 やはり、エネルギーや食料、衣料、そして医療を節約し、必要なもの、人を被災…

大西隆編著『人口減少時代の都市計画〜まちづくりの制度と戦略』(4)

本書紹介の最終日、少し感想めいたことを付け加えて終わることにしたい。 日弁連の意見書 都市住民にとって身近な都市計画は、マンション紛争に代表されるように、住宅地のど真ん中に超高層ビルを建てることを唆したり、あるいは規制する制度というところだ…

大西隆編著『人口減少時代の都市計画〜まちづくりの制度と戦略』(3)

昨日は大西さんの1章の、ほんの出だし部分を紹介した。 今日は、途中を一気に飛ばして、大西さんによる最終章「これからのまちづくりと法制度」を紹介しよう。 政権奪取後の民主党 この章では、最初に民主党の政策INDEX 2009への期待と、政権奪取後の迷走ぶ…

大西隆編著『人口減少時代の都市計画〜まちづくりの制度と戦略』(2)

本書の第1章で大西さんは都市計画法の基本を次のように整理している。 都市計画法を構成すべき要素は、(1)都市計画の決定や実施の主体、(2)都市の将来像と管理、(3)都市計画の具体内容、(4)都市計画の財源、だという。 特に(3)都市計画の具体内容については…

下鴨神社のフリマ

レガーロにランチを食べにいったら満員御礼で入れない。最近、嫁さんのご贔屓の店が、入りにくくなっていて残念。近くのそば屋さんに入る。ここも拘りの材料とかでちょっと高い。味は悪くなかった。 帰りに(世界遺産の)下鴨神社のフリマによる。 このあた…

びわ湖ホール、アイーダ

今年のびわ湖ホール・プロデュース・オペラはアイーダ。 指揮はびわ湖ホール芸術監督の沼尻竜典、演出は粟國淳、装置・衣裳はイタリア人、出演はアイーダに並河寿美、ラダメスに永田峰雄、アムネリスに小山由美ほか。オケは京都市交響楽団。 昨年、秋にドン…

3月4日の朝起きたら、雪

昨日、朝起きたら、雪が舞っていた。 うーん。セミナー講師の佐々木さんは東京から来られるのに新幹線が止まったら困るなあ〜と思いつつ、御苑に寄る。 写真は縣井という乾門のそばにある井戸。 御苑のなかでも屈指の名水だが、地下鉄工事の煽りで使えなくな…

大西隆編著『人口減少時代の都市計画〜まちづくりの制度と戦略』(1)

本書は東大まちづくり大学院シリーズの3巻目。 『低炭素』『広域計画』につづき、『都市計画』をとりあげた。 度肝を抜かれたのは2100年までの人口予測等を示した図2(p242)だった。なんと2100年には人口が4000万近くまで減っているではないか。 その上、…

松原隆一郎『日本経済論〜「国際競争力」という幻想』

松原隆一郎さんと言えば、僕たちの世界では『失われた景観』で知られた方だ。東京大学工学部都市工学科を卒業し、その後、経済学に転進された。 出版された2002年当時は、景観法の制定が視野に入りつつあったこともあり、話題になった。出版したPHPの謳い文…

長坂泰之『中心市街地・活性化のツボ』(8)

3事例を紹介したが、なんだか趣味で偏った事例を取り上げてしまったような気がするので、最後に長坂さんの本の目次を紹介しておこう。ただし校正中なので、今後変わるかも知れない点、お忘れなく。 発売は4月だが、3月26日に京都でセミナーを開く。 前日の…

長坂泰之『中心市街地・活性化のツボ』(7)

上乃裏通り 最後は熊本市の「上乃裏通り(かみのうら)」エリアを紹介しよう。 実はこの街のことを初めて知ったのは8年ほどまえ、藻谷浩介さんの幻に終わった原稿だった。「これだ!」と思ったことを覚えている。 昨年の藻谷浩介さんのセミナーでは残念なこ…