びわ湖ホール、アイーダ

 今年のびわ湖ホール・プロデュース・オペラはアイーダ
 指揮はびわ湖ホール芸術監督の沼尻竜典、演出は粟國淳、装置・衣裳はイタリア人、出演はアイーダに並河寿美、ラダメスに永田峰雄、アムネリスに小山由美ほか。オケは京都市交響楽団


 昨年、秋にドンジョバンニを見に行ったときに一番安い席をゲットしたのは良かったのだが、半分も見えないと嫁さんがブーイングだったので、今回は奮発して4階の中央の席を買った。遠くに豆粒みたいにではあるが、全体を見渡せるし、音はきちんと聞こえるから、今回は問題なし。


 並河さんも、小山さんも良かったと思う。合唱も、びわ湖ホールにしては多人数を揃えて迫力十分。その大音響のなかでも並河さんの声が、ここぞという時にはきちんと通っていた。


 アイーダは眠気を誘っておきながら、眠りそうになると、そうはさせるものかとドドーンと攻めてくる。おかげで最後まで一睡もせずにちゃんと聞けた。それでも、嫁さんは棺桶に閉じこめられたラダメスとアイーダが再会した後、気づくと終わっていたいたそうだ。たしかに、あのあたりは眠りへの誘いに満ちているな。起きたらニューヨークの博物館だったら良いのに・・・・。


 残念なのはバレエ。この前、テレビで見たメットと比べても、負けている感じ。
 これは趣味の問題だろうし、やっぱりS席も、前のほうでみないとつまらないのだろう。


 ところで、この公演、2億円もかかっているそうだ。
 びわ湖ホールと共同制作の神奈川県民大ホールが5000万ずつ、国の補助金が5000万、残りがチケット収入とのこと。


 そのせいか、開演前のテラスで嘉田知事を見かけた。
 橋下知事みたいな人に変わると、きっと真っ先に切られるのだろう。


 プロデュース・オペラは昔は「シチリアの夕べの祈り」「十字軍のロンバルディア人」とか珍しい作品をやっていたのだが、少しでも観客を集めようと、最近は超有名作品に偏っている。
 それはそれで仕方がないというか、僕も、大枚をはたくなら聞いたことがないものや、あまりに奇抜なものは遠慮したいとうのが正直なところだ。


(おわり)