オペラ三昧

 15日にはブライトン・ホテルの無料コンサートで中丸三千繪さんを聞いた。
 毎年、来てくれている。今年は足を怪我したとかで、痛々しかった。そのうえ、震災前には地震の夢を見たとか、オカルティックな話ばかりされていた。
 中丸さんはブライトンでは後半のほうが声にハリが出てくるように思う。プッチーニは良かった。


 次にびわ湖ホールで『ウィンザーの陽気な女房たち』を見た。
 オットー・ニコライという人の作品で、ファルスタッフという気の良い落ちぶれ騎士が女房たちに翻弄される話。シェークスピアが原作。
 女房たちを口説くラブレターをコピペでつくったのがばれて、女房たちにお仕置きされる話だが、川のなかに放り投げられたり、女装をさせられたり、ハチに刺されたり、どうにも気の毒。ワイフに言わせると、ふとっちょで酔っぱらいだから、虐められて当然なのだそうだが、ちょっとひどい。


 曲は軽快でノリも良かった。
 女房たちの声も、中ホールではよく響く。


 最後は『こうもり』。

 びわ湖ホールが良く言えばシンプル、実際は「お金がない」というのがありありの公演なのに対して、こちらは8日間連続公演で、大入り満員。しかも国の補助金や民間財団の助成もあって、「お金かけてます」という感じだった。


 それにサービス満点の演出で、フィナーレでは宝塚スター剣幸さん(イーダ役)のソロもある。ヨーロッパでは『こうもり』はいろいろなアトラクションを付加して上演されるのが本当らしいのだが、今まで見た公演はシンプルだったので、その点は大いに満足。踊りも良かった。


 ただ、オルロフスキー役のヨッヘン・コヴァルスキーさんは、世界中でオルロフスキー役を演じた大ベテランだということなのだが、僕の趣味ではない。
 最初にDVDでみた公演が気に入ったので、どうしても女性が演じるオルロフスキーを基準に見てしまう。あんまりそういうのは良くないよと、音楽教育を受けた人からは言われたが、抜けられない。