震災・津波

復興構想会議の提言」(4)

最後に、提言の最後の「結び」を見てみよう。 これがまた、何を言いたいのか分からない文章だ。 たとえば「(フクシマの)地はまだ色も香もない恐怖の君臨に委ねられている。だから、静かな怒り以上のものにはなりえない」としているが、そうだろうか。 なぜ…

復興構想会議の提言」(3)

今回の復旧・復興の焦点のひとつ、生業の復活については、提言は何を言っているのだろか。 提言は産業について1)企業・イノベーション、2)農林業、3)水産業、4)観光について述べている。 うち2)農林業については、 a)高付加価値化………6次産業化…

復興構想会議の提言」(2)

提言は減災を掲げ、「被害を完全に封じるのではなく、その最小化を主眼とすること。そのため、ハード対策(防波堤・防潮堤の整備等)、ソフト対策(防災訓練、防災教育等)を重層的に組み合わせること」を主張している。 だが、地域類型と復興のための施策を…

復興構想会議の提言」(1)

構想会議の提言『悲惨のなかの希望』を読んだ。 へんなタイトルだと思っていたが、読んでみるとやっぱりヘンだ。 もっとも印象的に悲惨と希望が語られているのは「第3章 原子力災害からの復興に向けて」の(1)序章だ。 そこでは、原発事故を起こりえない…

津波が来れば大阪全滅! 高台で復興!?

今朝の河田さんが連動型の巨大地震による津波が大阪を襲うとどうなるかという地図を発表していた。大阪は上町台地を除いて水浸し、なんと高槻、枚方まで押し寄せるという。(さすがに京都までは来ない。良かった) そんな地震・津波は来て欲しくないが、万が…

緊急インタビュー(6)復興まちづくりプラットフォーム

コミュニティ支援員に加えて、インタビューや5月20日のシンポジウムで「是非、ほしい」と言われたのが「復興プラットフォーム」だ。 ただプラットフォームといっても色々ある。 一つには、そこにいけば被災地のいろいろな情報が手に入るとか、逆に、必要な…

緊急インタビュー(5) コミュニティ支援員

今日の23時のテレビニュースでも、ボランティアが足りないと言っていた。 被災直後は「あご足枕を自ら確保できる人だけに限る」といったことも理解できるが、いまはもう「あご足枕」ぐらいは出してやれよと思う。何のための税金なのか、何のための義捐金な…

[本の紹介]吉村昭『関東大震災』

同じ吉村昭の『三陸海岸大津波』とセットで買った『関東大震災』は暗い本だった。 まず、死者が20万人。 有名な被服廠跡の空地で焼け死んだ人だけでも3万8千人。 しかも、多数の死者を出した原因が、人々が家財道具一式を抱えて逃げ込んだからだというの…

越澤明「震災二ヶ月後のいま、考えるべき事」(続き)

このように納得できることが多い越澤さんの論文だが、「「復旧」とは被災前の姿に戻す現況復旧を指しており、今回の東日本大震災でいえば東北自動車道、仙台空港、東北新幹線の復旧工事がこれに相当する」とされ、続けて「「復興」とは新たな水準のインフラ…

越澤明「震災二ヶ月後のいま、考えるべき事」

『中央公論』2011年6月号(5月10日発売)に越澤さんが書かれた論文。ただしHPに全文載っていたのでタダで読んでしまった。 基本的には共感できるところの多い論文だ。 越澤さんはこの間、復旧が大事と言われ続けていた。 ここでも、「復旧か復興かと言え…

朝日新聞社説「観測網の整備を急げ」(6.13)

3.11以降、いくつかの報告会を聞いたが、一番残念だったのは、津波予報を担当されている方のお話だった。 せっかく避難したのに、第一波が去った後に低地に戻って第二波に巻き込まれたしまった人がいたこと、第一波より、第二波、第三波のほうが強烈だっ…

吉村昭『三陸海岸大津波』

フェースブックで知って、アマゾンで買った。 購入時に50位。売れている。 『戦艦武蔵』や『関東大震災』で名高い吉村昭が、明治、昭和、そしてチリの三度にわたる三陸津波を掘り起こしている。昭和45年(1970年)の作品だ。 明治、そして昭和の津波の記…

緊急インタビュー(4) 被災地とどう向き合うか

まちづくりに関わる者にとって、被災地とどう向き合うかは、避けては通れない問題だ。 小浦久子さんは被災地には「いろんな人がやってきます。お金儲けでやってくる人もいれば、善意でやってくる人もいます。中には、地域のことを知らずに無意識に良いと思っ…

緊急インタビュー(3) 3.11の意味

どうも書きにくいので、書き方を変えてみる。 インタビューのなかで3.11の意味を考えさせてくれるのは、以下の三つだと思う。 まず高見澤邦郎さんの「3.11の意味」。題名もそのものズバリだが、3.11で何もかも変わったといった論調に異議を唱え…

緊急インタビュー(2) 復興と時間

インタビューでは、多くの話題が出てきたが、一番気になったのは、時間の考え方だ。 僕は少しでも早く復旧を終え、復興に取りかかり、1年か2年で見通しが立ってほしいものだと思う。 ところが、幾人もの人が10年はかかる、いや、大あわてでやって悔いを残す…

緊急インタビュー「震災・原発事故とまちづくり」(1)

震災が起こった日、何かできないかを社内で話す中で、『提言・仮設市街地』という本を被災地に贈ろうかという案が出た。しかし、送るったって手段がない。また被災地はまだ仮設住宅云々という状態ではなさそうだ。 むしろ支援に入ろうという人たちのほうが、…

室崎益輝さんの講演

京都の総合地球環境学研究所(地球研)が主催した室粼益輝さんの「東日本大震災−被災者主体の復興への道筋」(5.19)という講演を聞いてきた。 被災地に仮設市街地をつくれ! 一番興味深かったのは、国の方針を真っ向から批判し、津波にやられてしまった市街…

東京の様子

4月7日から東京に断続的に10日間ほど行ってきた。 こういうことを言うと東京の人にきっと怒られるだろうけど、東京はすごい人出で賑わっていた。 7日、佐々木さんのセミナーの準備で4時過ぎに上野に降りると、人がわんさかいる(下の左の写真)。谷中の…

「産業の復興が地域の再生に不可欠」(関満博さん)

『農と食のフロンティア』を書いて頂いた関満博さんは、中小企業の振興の研究では第1人者だ。 その関さんは地震と津波の日に釜石で「いわて三陸発! 海の産業創造セミナー」に参加されていた。 幸いご無事だったが、『日経トップリーダー』に書かれた記事を…

管内閣と朝日新聞の復興構想

朝日新聞(2011.4.1)によると、管首相が復興のイメージとして『世界で一つのモデルになるような新たな街づくりをめざしたい」と強調。被災地の首長らの意見を踏まえ、「山を削って高台に住むところを置き、海岸沿いの水産業(会社)、漁港まで通勤する」「…