朝日新聞社説「観測網の整備を急げ」(6.13)

 3.11以降、いくつかの報告会を聞いたが、一番残念だったのは、津波予報を担当されている方のお話だった。


 せっかく避難したのに、第一波が去った後に低地に戻って第二波に巻き込まれたしまった人がいたこと、第一波より、第二波、第三波のほうが強烈だったので、多くの人を巻き込んだ最大の津波が来るまでには、地震発生後20分から1時間の時間があったことを報告され、津波予報の出し方をもっと工夫しなければならないと話されていた。


 また朝日新聞の社説(6.13)によれば、第一報が津波の高さを過小に報じたため、2階に上がれば、と高台への避難をしなかった人もいたという。


 ほんとに悔やまれることばかりだ。
 地震の予知は難しいのはよくわかるが、津波は現に起きているものを測れば良いだけだ。
素人考えだろうが、はるかに簡単ではないのだろうか。


 なのに、3.11のときは、全国至る所の海岸線が真っ赤に塗られ、ずーと警報が出っぱなしだった。安全側の予報を出すのは当然だが、やっぱり、もっと正確に細かく出さないと効果がないのではないか。
 現に、3.11のとき、西日本できちんと避難した人は少なかったという。
 あれだけ長時間、真っ赤にされたら、そうそう真面目につきあってられないということだろう。


 なんとかならない物かと思っていたら、紀伊半島沖の海底に津波を感知する水圧計が設置されるそうだ。50億と5年の歳月をかけるという(上掲、朝日社説)。

 50億なんて、防潮堤や地盤の嵩上げ、高台移転と比べたら、随分小さい額だ。
 万が一に備えての警報は必要だが、空振りが続くと誰も避難しなくなる。
 もっとお金をかけてでも迅速に整備し、本当に逃げなければならないとき、ところに、一瞬でも早く正確な情報を届けるようにすべきだと思う。