夜鳴きうぐいす

 NHKプレミアムシアターでエクサン・プロバンス音楽祭2010、歌劇「夜鳴きうぐいす」(ストラヴィンスキー)をやっていた。
 
 この夜鳴きうぐいすは、劇場につくられた池(プール)に船を浮かべ、人形遣いが池に入って人形を操るなど、凝った趣向が盛りだくさんだ。
 特に面白いのは人形を文楽の人形と同じような感じで抱えて動かすこと。その人形遣いさんが人形と似たメイクで、雰囲気を盛り上げていることだ。


 文楽では、黒い衣装を着た人形遣いさんは、見えないというお約束で、また実際に見ていて存在を忘れるほどなのだが、主遣いの人が顔をさらす「出遣い」という方法が多く、あれが雰囲気を台無しにしている(と僕は思う)。


 なぜ、そんなことをするのだろう、顔なんか出てきたらイヤでも目に入ってしまうじゃないかと思っていたが、「そうか、メイクをして、むしろ盛り上げる手法があるのか」と、感心した次第。


(おわり)