さいりん館

都市環境デザインセミナー「地域に学ぶ景観まちづくりの作法」

 5月16日の都市環境デザインセミナーは久しぶりに京都での開催だった。
 姉小路と協働での取り組みの報告だったが、地元の方々も大勢来て下さった。内容はいずれ記録をホームページで公表するので、今日はこぼれ話をしよう。

さいりん館


 会場に使ったのは町家を再生した店舗と事務所と集会室を兼ねた「さいりん館」。HPによると「ほっこりとくつろげる「まちの縁側」になりたい」とのことだ。
 運営しているのは環境共育事務所カラーズとHappy Beauty Project。後者は「キレイでHappyは「まちと女性を元気にする!」」というコンセプトで、メイクやネイル、各種企画をやっているとのこと。
 毎週月曜には新鮮野菜を販売する「朝ねぼう市」をやったり、店内に30センチ角ぐらいのラックを設けて、小物の販売等に貸し出している。
 この日も、黒米を売っていたので買った。500円で200グラム。ところが、お金を渡すと、それをそのまま会の主催者の中村君がポケットに収めてしまう。なんでも中村君が持ってきて置いているお米だったらしい。



 


 ともあれ、一緒に行っていた連れ合いは、キレイでHappyのほうに興味津々。絶対来るからとか、約束していた。

自転車

 自転車を店の反対側、電柱の陰になるところに置いおいたら、さいりん館の人が、あればヤバイですよ、と教えてくれた。なんでも前のマンションが五月蠅くて、時には撤去されてしまうらしい。
 聞いていた回りの人たちは「マンションの連中は建てるときは周辺には気をつかわんくせに」などなど。とはいえ、違法は違法なので、おとなしくお店の前に移す。
 まあ、周辺に関心を払わないマンションよりも、五月蠅いぐらいが良いのかもしれない。
 自転車の向こうに見えているのは三井京都支店跡。

亀末廣

 姉小路からは亀末廣の吉田さんも来られていて、講師の藤本英子先生に素敵な御菓子をプレゼントされた。当然、みんなで賞味。
 まずは見て楽しい御菓子。
 日本の花になぞらえた設えだったが、どういうわけか、バラもあった。それはそれで美しい。
 京都を代表するお菓子屋さんなので、京都に来られたら是非、よって欲しい。そして姉小路を探索して、平成の町式目も探してみると楽しいと思う。

姉小路は京都新景観政策の原点の一つ

 ちなみに姉小路は景観条例の原動力となった街でもある。昔、大阪ガスがマンションを建てようとして地元の猛烈な反対を受けて転進。地元との話し合いに数年間をかけてアーバネックスという賃貸マンションになった。設計は江川直樹さん。
 その後、アーバネックスの真ん前に高松伸設計のトンデモマンションが出来、また姉小路の一本北の御池通に面しては、柊屋の真横にリクルートがトンデモマンションを建てた。
 いずれも地元の猛烈な反対にもかかわらず、また特にリクルートマンションは経済界をあげての反対もあったのに、行政はなすすべがなく、建ってしまった。
 その反省が、大胆な高さ規制を含む新景観政策の一つの原動力となっている。


○参考HP
緊急討論・京都の新景観政策を考える
http://www.gakugei-pub.jp/judi/semina/s0703/index.htm
京都市中心部の新しい景観政策
http://www.gakugei-pub.jp/judi/semina/s0606/index.htm
京都の景観はよくなるか!?
http://www.gakugei-pub.jp/judi/forum/forum17/index.htm


○京都新景観政策参考書・アマゾンリンク

  • 新景観政策の前哨戦となった都心部の景観政策の見直しをまとめた本

  青山吉隆『職住共存の都心再生―創造的規制・誘導を目指す京都の試み

  • 1章分ですが新景観政策立案担当者の1人、寺本健三氏が経過を書いています。

  リムボンほか著『まちづくりコーディネーター