京都ブランド
昔、一緒に仕事をしてくれていたMさんと、その娘さんに久しぶりにあった。
Mさんは小さい頃は清水寺の滝をプール代わりにして遊んでいたという京都人で、ほんの数年前まで京都にいたのだが、事情があって東京に行ってしまった。
久しぶりに京都にくると、どうも変だという。
伊勢丹のお土産コーナーにいくと、なんだかにわか仕立ての京都弁で、「これは京都のなになにどすえ」みたいにやたらと京都を強調するのが、鼻につくのだそうだ。
「そりゃ、お土産屋さんにいくからだ」と言ったら、「昔はそんなことはなかった」という。
地域ブランドは今では地域おこしの核になっている。
僕も『地域ブランドと魅力あるまちづくり』を出させてもらったし、『観光の地域ブランディング』『成功する地域資源活用ビジネス』『農と食のフロンティア』など、地域ブランドに触れた本がここ数年目白押しだ。特にブランドを前面に押しだした本はヒットしている。
それらの本のなかで様ざまな成功事例が紹介されているが、そのなかでも京都は横綱級だ。歴史・文化に裏付けられたカッコとしたブランドを持っていて、しかも、そこから新しいものを創造している。
だから、お土産屋さんが京都風を追求するのも良く分かるのだが、生粋の京都人に嫌われるようでは、ちょっと底が浅いのかもしれない。
(おわり)