総合計画と都市マス(1)

 11月1日付の『市民しんぶん』に総合計画にあたる「はばただけ未来へ! 京プラン」実施計画と、都市計画マスタープランの案(概要)が載っていた。これからパブリックコメントに掛けるそうだ。


 市民の義務として、なにか意見をいわなきゃいかんのだろうな〜と思いつつ、読んでみる。
 奇麗な言葉が並んでいて、結構なことじゃないかという感じだ。

二つの計画の関係

 たまたま一緒に入っていたので余計に気になるのだが、この二つの計画はどういう関係にあるのだろう。


 普通に考えれば京プランのほうは市の将来像を描いたものだろうし、都市マスのほうは、京プラン実現のために都市計画がどうあるべきか、何をするのかが書いてあるのだろうと思う。
 現に『市民しんぶん』の説明にも都市マスは京プランの都市計画分野の計画だと書いてある。また京都には都市計画区域外もあるが、都市マスの対象区域は京都市全域だと書いてある。


 ならば、京プランで示された京都の未来像を受けているのかな、と思うのだが、曖昧だ。


 京プラン(基本計画)のほうでは、10年後にめざすべき京都の姿として
 ・地球環境にくらしが豊かに調和する「環境共生と低炭素のまち・京都」
 ・伝統と知恵を生かし,豊かな生活を支える「環境と社会に貢献する産業を育てるまち・京都」
 ・いのちとくらしを守り,安心・安全で幸福を実感できる「支え合い自治が息づくまち・京都」
 ・人間らしくいきいきと働き,家庭・地域で心豊かに生活できる「真のワーク・ライフ・バランスを実現するまち・京都」
 ・歴史・文化を創造的に活用し,継承する「日本の心が感じられる国際都市・京都」
 ・だれもがともに学び成長し,未来を担う若者が育つ「学びのまち・京都」
とされている。


 たいして都市マスでは都市の将来像の概要として「エコ・コンパクトな都市構造」とあり、目標とする都市の姿として、
  「環境〜地球環境への負荷が少ない都市」
  「経済〜活力ある都市」
  「安心・安全〜安心で安全な都市」
  「生活〜誰もが快適に暮らすことができる都市」
  「文化〜歴史や文化を継承し創造的に活用する都市」
としている。


 「環境共生と低炭素のまち・京都」をめざすから、都市構造としては「エコ・コンパクト」だよね、というのは分かりやすい。
 しかし、総合計画の将来像を、環境、経済、安心・安全、生活、文化といった別の抽象的な言葉で切り直す必要があるのだろうか。

 
 都市計画分野の言葉に置き換えることによって、京プランが持っているニュアンス、大げさに言えば思想性がそげ落ちているように感じる。
 その点、次回、もう少し詳しく見てみよう。


(続く)