京都御苑にニホンザル出現


 朝、病院にいくために京都御苑にいくと、乾門のところに「苑内でニホンザルが目撃されています。もしサルをみつけても近づかないようにして下さい」という張り紙があった。
 イタチやタヌキが鴨川にそって南下してきて、このあたりまで来るという話は聞いたことがあるが、とうとうサルまでやって来たというわけだ。
 比叡山からだろうか?


 6月には二条城や上賀茂神社、宇治の平等院などにアライグマが出没し、文化財にひっかき傷をつけていたそうだ。さすが日本生態学会指定「日本の侵略的外来種ワースト100」に指定されているだけのことはある。
 なかには捕獲されたものもいたそうだが、他はどうなったのだろうか。


 最近紹介した『撤退の農村計画』でも獣害の話が載っていたが、去年出した『地域生態学からのまちづくり』によれば、野生動物による被害額が199億円(2003年)、イノシシ、シカ、サルは生息域を拡大しており、果てはクマなどが人里に降りてくることも起こっているという。


 生息域が広がっているのは、自然が回復しているからではなく、自然が荒れているからだという。来月は生物多様性条約締約国会議COP 10が開かれるが、こういうことも含めて議論が深まり、また問題意識が広まることを期待しよう。
 


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上甫木昭春 『地域生態学からのまちづくり―共生環境のマネジメント