登録文化財・旧京都中央電話局上分局がスーパーに




旧京都中央電話局上分局外観


 御所の南東、丸太町の鴨川のほとりに建つ電話局の建物が、スーパーになっていた。
 1923年に建てられた鉄筋コンクリート3階建て。現存するRCの電話局舎では最古のものの一つと聞く。
 廃局された後1989年にアメリカ蟹のレストランであるカーニバルタイムスが入った。当時、パソコンを届けてくれた友人と一緒に食べにいったのを覚えている。ちょっとした贅沢な気分が味わえる空間だった。
 2004年からは挙式会場兼レストランになっていたが、それも撤退。今回、京都でスーパー「フレスコ」を展開するハートフレンドが借りたという訳だ。



 
京都中央電話局西陣分局外観とインキュベータ施設が入る1階ロビー


 もう一つ、1922年にできた京都中央電話局西陣分局も再生され、利活用された例だ。
 こちらは今も、1階には西陣路地というインキュベーション施設が入っている。
 また写真のように裸婦やライオンなど、ウィーン分離派を思わせる装飾で有名な登録文化財だ。



 
京都中央電話局西陣分局外観とインキュベータ施設が入る1階ロビー


 西陣のほうは近代建築の保全と利活用の初期の例だった。確か85年だったと思う。
 その後、近代建築がレストラン等に利用される例がとても増えたが、いつも、どれも長続きできるとは限らない。
 それは商業施設であるかぎり、仕方がないだろう。
 ただ、次の借り手が現れるのは、嬉しい時代だと思う。