下鴨神社・蛍火の茶会
6月12日に蛍火の茶会に行って来た。
これは約六〇〇匹の蛍を大籠より御手洗川に放して鑑賞するとともに、茶会や十二単衣の着付け、王朝舞や箏曲の演奏を愉しもうという趣向だ。
下鴨神社のHPによれば、昭和20年代には農薬による汚染で蛍も絶滅していたが、地元の農会や氏子の協力で泉川流域の清掃を繰り返し、蛍の幼虫を放ったところ、糺の森のあちらこちらに蛍火の飛び交うのが見られるようになったという。
そこで、平成三年より約一〇〇年ぶりに蛍火の茶会として再現することとなったそうだ。
参道では「糺の森納涼市」も開かれている。
もともと下鴨神社は、京の夏の避暑地として親しまれ、糺の森を流れる川の辺に茶店が建ち並び、船を浮かべた茶会のほか能(糺能)や相撲の催しがあったという。それが、明治時代に国が管理する神社となり、庶民の行事も次第に廃絶してしまった。
そこで蛍火の茶会にあわせて復活、再現しようということで、下鴨茶寮、松風園、老松など京の老舗が屋台を出している。
大人数での茶会だが、うす暗いので雰囲気も一応あるし、お茶やお菓子、それに別の場所で出される尾張屋のお蕎麦もなかなか美味しい。
行っている人の話では、このところ特に賑やかになっているそうだ。
お茶をいただき、お蕎麦を食べてから見に行ったら、蛍は、数十匹しか見えなかった。
人がわんさかいるのに、よく頑張って残っていてくれたものだ。