『ヒューマンエラー防止のためのガイドブック』
『ヒューマンエラー防止のためのガイドブック』を読んだ。狙いは大規模プラントでの人為ミスの防止なのだが、中には本作りにも共通するところがあったので、メモしておくことにした。
- 自分の注意力で補おうとするのは危険。手順の入れ替えや省略を注意しながらやれば大丈夫という発想を止めること。
- 他の人の仕事にもう少しだけ関心を持て。そうすることが相手の発した言葉に潜む意味を理解することにつながる。
- 「わかった」の内容は千差万別。分かったと言ってくれても、単に面倒だからそういっているだけということも。
- 「あれ」「それ」「これ」は誤解の温床。語尾は明確に。
- ピアチェックとダブルチェックは違う。前者はプロセスをチェックして、ノウハウや判断基準を含めて、正しいか、より良い判断はないかをチェックすること
- 人間が我慢しているとエラーが起こりやすい。操作者の注意力に依存するデザインは危険。
- 頭のなかの記憶と外部化した記憶(メモ等)を照合するクセをつけよ。
- 事故を防ぐチャンスは何回もある。おかしいと思った人が声を上げよ!
- 最終チェックを惰性で行うな。一息入れ気持ちを一新してから行え。
- 言わなくても分かると思ったときこそ言うべき。
- 他の人(とくにベテラン)と一緒にやると自然と手抜きになる(社会的手抜き)。当事者意識を常に喚起せよ。
- 周囲に流されてしまうのは「社会的同調」。こと安全に関しては正しいと思う意見があれば同調するな。
- 人間は普通は自分に甘く、他人に厳しい。だから他人に口出しせよ。
- リーダーが厳しい言い方をしても言いっぱなしではダメ。守らせるために手間をかけよ
この本が想定している事故は、最悪の場合は何百万人に被害が及ぶもの。それだけに真剣だ。
それはともかく「短期記憶は18秒で約90%忘れてしまう。一度に記憶できる量は7±2個ぐらい」という話は眼からウロコだった。