ラ・フォル・ジュルネびわ湖「熱狂の日」音楽祭2010
ナント市にはじまり、日本では東京、金沢と広がった「熱狂の日」が、びわ湖ホールにやってきた。
1年前、どうせハイソな人や、京都や大阪の人しかみないびわ湖ホールの運営費を削って福祉に回せという議論が議会から仕掛けられ、嘉田知事のやりくりでなんとかすり抜けたものの、予算の縮小が続いていたびわ湖ホールに、たくさんの人が集まっていた。
3つのホールで12公演、さらに無料のロビーコンサートや野外コンサートが開催され、ホールの公演は前日にはほぼ完売、残った当日券も売り切ったというから、凄い。びわ湖ホールをつくった人たちも、この人出には感激だろう。
ロビーコンサート |
野外コンサート |
大ホール |
びわ湖ホールの隣にまちづくり大津が開設したなぎさ公園オープンカフェ |
今年は東京は「ショパンの宇宙」だそうだが、びわ湖ではそれではちょっち心配ということか、モーツァルトとショパンという人気作曲家2人をテーマとしていた。
座席は4階1列目、中央をゲット。なかなかいい音だったが、室内楽版のピアノ協奏曲は心地良さ過ぎて、夢心地だった。(半分眠っていた。ワイフもそうだったらしい。)
次は野外のステージで地元の高校生によるブラスバンド。最後に披露してくれたマーチングが面白かった。単に行進しながら演奏することかと思ったら、幾つかに分かれた群が複雑に動き回る。同時に音源が移動するので、音と隊列の動きがシンクロして見事だった。
次は、オーヴェルニュ室内管弦楽団による管弦楽による「ディヴェルティメント第1番」。そのあと、管楽器をエキストラに加え、ピアノに小曽根真を迎えてモーツァルト「ピアノ協奏曲第9番 ジュノム」。
小曽根真はジャズピアニストとして結構有名らしい。ちょうど昨日BSHIで流していた井上ひさしの最後の舞台「組曲虐殺」の音楽も担当していた人だ。
音はとても繊細で、きれい。ワイフによると、「ちゃんとモーツァルトだって弾けるんだぜ」と見せたあと、曲が進むに連れて、ジャズの乗りになっていった。今日の一押し。珍しいものを聞けた。
最後はブルーノ・リグットのピアノでモーツァルトとショパン。中ホールなのでピアノの音も厚みがあった。ワイフによると後半になるにつれ調子も上がってきた感じだという。
それぞれB席で1500円。「低料金による1年に1回のクラシックの民主化」がうたい文句だけど、3公演あわせて4500円だから、そんなに安くはない。オペラなら3時間もあるものもあり、聞くだけなら4階の端のほうでも充分だから4000円で聞ける。(ただし、さすがに見にくいが)。
でも、お祭りみたいな雰囲気で、気さくで、肩肘張らずに楽しめた。
また3歳以上なら入場可となっていて、実際、ちらほら小さな子がいた。わりと行儀もよく問題はなかった。
絶対、来年も頑張って欲しい。