プランナーとプレイヤーの両立は可能か?

 4月以来、ブログに手を掛けるヒマと元気がなくなって、書いてあったものもアップするのを忘れていた。

 というわけで時期遅れだけど、せっかくだからアップしておこ。


 2012年度第3回都市環境デザインセミナー「プランナーとプレイヤーの両立は可能か?」、久しぶりに立ち見が出る盛況のうちに終わった。
 ご参加下さった皆さま、有り難うございます。

 若狭健作さんと綱本武雄さんの掛け合いによるセミナーは、とってもエキサイティングだった。
 ただ、テープ起こし担当の連れあいは、起こしにくいとブーイング。たしかにあれは起こしにくい。臨場感あってこそのセミナーだった。
 というわけで、果たして完成するかどうか分からないが、詳しくはセミナー記録を期待いただくとして、ここではごくおおざっぱにまとめてみよう。

 当日報告されたプレイヤーとしての活動は、フリーペーパー「南部再生」、尼崎クルージング、尼いも、そしてメイドインアマガサキ、メイドイン尼崎本など、尼研としての活動だ。実に楽しそうに語られた。
 一方、プランナーとしての活動は、尼崎でプレイヤーとして蓄積されたノウハウを、他都市に呼ばれて仕事として展開しようというもの。キモは、それぞれの都市におられる面白い人、やる気のある人と出会い、一緒にやることだそうだ。


 そういうことが仕事になっているのは目出度い。
 だが、これはプランナーの仕事なのだろうか。少なくとも計画している訳じゃなさそうだ。なのになぜ、プランナーなのか。
 テーマを考えられた角野さんが引き取って議論されていたが、今ひとつ良い言葉は出てこなかった。
 彼らは、まちにはいって、まちの人々をつなぎながら、まちを刺激する動きを巻き起こしていく。こういう人たちをどう呼べばよいのだろう。
 コーディネーターとかプロデューサーとも違うような気がする。
 エンパワーメントをする人が一番近いだろうか。
 それとも、いま流行りのコミュニティ・デザイナーだろうか。


 もう一つ気になったのは会場にいた泉英明さんの「プレイヤーはボランティアで、プランナーで稼ぐというモデルではなく、プレイヤーとしても稼げないか」という質問だ。
 若狭さん、綱本さんからは「難しい」という返事だった。
 確かに稼ぎを考えないプレイヤーだからこそやれることがあるのだろう。行政や経済界からお金をもらってしまうと、新しい発想、新しい挑戦が難しくなるかもしれない。
 しかし、知恵と労力を傾けてまちを元気にしてくれているのに、まちがそれを支えられないのも情けない。
 だからといってお金を出すところがかんあるわけではないし。難しい。



○記録が出来上がっています。
http://www.gakugei-pub.jp/judi/semina/s1204/index.htm

○社のスタッフ、岩切さんのレポートもあり
http://gmark.jp/event/0420JUDI_3/report

○あまけん:わがまちをオモシロがる方法(2007年のフォーラムの記録)
http://www.gakugei-pub.jp/judi/forum/forum16/fok008.htm

○若狭、綱本さんのインタビューが収録された本
 『いま都市をつくる仕事』
http://www.gakugei-pub.jp/mokuroku/book/ISBN978-4-7615-1293-4.htm