京都の地域景観づくり協議会制度

 同じく京都市市民しんぶんに、地域と建築主の意見交換を義務づける「地域景観づくり協議会制度」の宣伝が載っていた。景観まちづくりの方針等を定めた計画書を市が認定すると、対象の地区内で建物を建てようとする者に、できるだけ早い段階で協議会との意見交換を行うように義務づけるというもの。

 たとえば修得景観づくり協議会は、近年相次ぐマンション建設を受けて作られたもので、協定締結にあたり荒川晃嗣会長は「マンションの建築主に意見を言っても、『もう遅い』と断られる状態が続いていた。今後は地域の意見を少しでも反映させることができる。学区の町並みが良くなれば周囲にも広がる」と意欲を見せたという。

 ただし、マンション反対で問題になる高さや容積などは、都市計画や景観法で抑えている以上のことができるわけではなさそうだ。同じ高さ、容積でも「もう少し工夫したらもっと良いものになるのに」といったとき、力を発揮するのではないかと思う。

 また 花街・先斗町の7町内会でつくる先斗町協議会は、お茶屋や料亭が並ぶ小道の風情を保全していくため町内会員の客引きや華美な看板を自主規制する「町式目」を定め、その実践に努めている。

 先斗町協議会の金田祐一副会長は「地域内で摩擦もあるが、これ以上町並みを壊したくない。認定を契機に取り組みを強化し、新規出店者ともしっかり協議して先斗町の良さを残したい」と話しているという。

 市に認定してもらっておかないと、話し合いもしてくれないのか!?とも思うが、こういう努力の積み重ねで、地域になじんだデザインが当たり前になる時代に一歩でも近づけることを祈ろう。

京都新聞(2012年6月1日)
http://kyoto-np.jp/politics/article/20120601000140