スノーホワイトと書店ガール

 久しぶりに時間ができて、嫁さん希望の映画スノーホワイトを見てきた。

 それなりに面白かったけど、批評を書くとなると良いことが書きにくい。
 グリム童話のヒロイン像を塗り替えて見せたという意味では、シンデレラ像を書き換えたエバーアフター(1998年)が勝っていた。あの映画でシンデレラがヨイッショと王子さまを抱え上げたのには驚いたよな。
 また途中で妖精の森のなかで大鹿と出会うシーンがあるが、「もののけ姫」のパクリみたいで、かつ意味不明。その前後のお話との結びつきが良く分からない。
 悪い女に父王を殺された姫のお城奪還物語としては、里美八犬伝のほうが上だ。あのときの薬師丸ひろ子は「この姫のために命をかける男」がいても納得できた。

 美女が剣を振りまわすのが好きな僕のために嫁さんが選んでくれたのだろうが、嫁さんは結局、とっても不満顔。ワクワク感がなく、なかでも、王子さまではなく、中年のアル中男がお姫様を目覚めさせるのが気に入らないということだった。

 ところで、最近読んで書いておきたい本としては『書店ガール』が上げられる。
 小説としてはお薦めはできないが、ところどころに書店の人たちが棚にかける思い、ミニフェアやポップにかける思いが描かれていて、こんなに大切に売ってくれる人がいるんだったら、やっぱり大切に作らなければ、作ろう、という気持ちが沸いてくる。


 ネット書店が隆盛のいま、書店は出版社以上に厳しいと思う。
 確かにネット書店は便利だが、本との出会いの場はやっぱり書店なんだと思わせてくれる一冊だった。


(おわり)
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書店ガール (PHP文芸文庫)