チャイナ・シンドローム

 BSで放映していたチャイナ・シンドロームを見た。
 1979年製作のアメリカ映画。スリーマイル島事故の直前に公開されてため、話題になった作品だ。
 当時も見たのだが、覚えていたのは公聴会の風景だけだった。公聴会なのに地域に住む子供の名前を読み上げるだけだったり、猿ぐつわをして公聴会の席にたって無言の行をしたりしている。いま見ても変だが、当時は理解不能だった。


 映画では、地震で計器の一つが壊れ、水位を示す針が高い値で止まってしまって、慌てた現場指揮官ゴデルは注水をとめ、あわや燃料棒が露出するという事態が起こる。
 他の計器が低水位を示していることに気づき、高い値を示す計器をドンと拳で叩くと、針が動くのは笑ってしまうが、スリーマイル島では計器が正しい値を示さなかったため運転員が冷却水過剰と誤判断し非常用炉心冷却装置を手動で止めてしまったのだから、恐ろしい。


 また溶接部の検査(X線写真)をきちんと撮らず、同じ写真を使い回していることに現場指揮官ゴデルが気づき、原発こそ我が命と考えていた彼は建設会社にクレームを付けに行き、逆に命を狙われ、あげく制御室に立て籠もることになる。そんな手抜きがあるはずがないと思いたいが、日本でもたとえば建築部材の耐火性能表示ををめぐって試験体をごまかすというひどい話があった。

 それはともかく、ジェーン・フォンダはバーバレラや、70年頃、沖縄に来た時の印象が強烈で、この映画ではちょっと年を取った感じ。
 ちなみにバーバレラは、手と手をあわせることでセックスをするとかいう軽いノリのエロチックSF。若い頃はそういう設定でも胸がドキドキしたものだ。

(おわり)