自転車の走行対策を厳格化

 10月26日の新聞が警察庁が歩道走行対策を厳格化すると一斉に伝えていた。
 歩道上の走行を認める要件も従来の2mから3mに変えるそうだ。


 歩道は歩行者のものだ。車道を走るべきだ。朝日新聞は社説で自転車が犠牲になる事故が相次いだ時「緊急的に歩道走行を認めたのが誤り」としていたが、その通りだと思う。


 しかし、どうも紙面から自転車迷惑感が漂うのが気になる。
 京都新聞など「悪質自転車もう見逃さぬ」という副題を付けている。確かに取締強化も打ち出されているが、この見出しでは歩道で悪さをする自転車が、とうとう歩道から追い出される、ざまあみろって感じになってしまう。


 そのうえ別の記事では「自転車事故のうち8割以上は自動車の間で起きている」とし、「車道走るのは恐い」という利用者の声を伝えている。
 なぜ歩道上で自転車が車に跳ねられる事故が多く、車道を走る方が安全だという事実は伝えないのだろうか。


 いくら車道が安全と言われても、幅寄せしてきたり、クラクションを鳴らす自動車が幅を効かすようでは安心感は得られない。
 そういう無法な態度が改めず、専用道や専用レーンをつくれと言っても、そう簡単にできることではない。下手すると自転車の行き場がなくなってしまう。
 まずはドライバーに自転車優先を徹底し、自転車・自動車共存という車道のあり方を進めるべきだろう。


(おわり)

○参考図書
成功する自転車まちづくり―政策と計画のポイント