トリスタンとイゾルデ

トリスタンとイゾルデ

 今日はびわ湖ホールに、沼尻竜典指揮、ミヒャエル・ハイニケ演出の「トリスタンとイゾルデ」を見に行った。


 9月25日にバーデン劇場の来日公演を見にいった時と同じE席4000円だけど、10席ほど後ろに下がったので、なんとか舞台も見ることができた。
 ハイニケの舞台づくりが良い。
 トリスタンとイゾルデが不倫の夜を過ごしたあとの場面が特に良かった。全体にシンプルだ。
 NHKがカメラを入れていたので、おそらく放映されるのだろう。それを見るときっと同感してもらえると思う。


 イゾルデ役の小山由美さんも良かった。


 有名な話なので知っている人も多いだろうが、イゾルデの婚約者であり、アイルランドの守護神だったモーロルト打ち負かした勇者トリスタンは、名前を偽ってその傷をイゾルデに直して貰う。その後、トリスタンは王にイゾルデを娶るように薦め、王女イゾルデを連れて帰る船上で、傷を治してやったのに、王に献上するとは!と裏切りをイゾルデに責められ、追いつめられ、二人して毒をあおることになる。
 ところが毒は侍女が気をきかしてすり替えた「愛の妙薬」だった。二人は恋に落ちてしまうというお話。


 王様と結婚したあとも逢瀬を重ねていた二人は、とうとう発見されてしまい、トリスタンは自ら王の家臣の刃に身を投げて死のうとするが死にきれない。
 あげく、「なんでイゾルデは後をおってきてくれないのだ、会いたい」と部下に延々と愚痴を言い、ようやくイゾルデがやってきた時には、興奮のあまり包帯をむしり取ってしまって死んでしまう。
 三度目にしてようやく自殺願望が叶ったわけだ。


 こう書いてしまうと、なんともトリスタンが情けない感じだが、実際、小山さんが最初から飛ばしっぱなしという感じなのに、トリスタン役のジョン・チャールズ・ピアーズは声が霞みがち。侍女ブランゲーネ役の加納悦子さんも張りがあって、女性陣つよしという感じだった。
 解説によると、トリスタンとイゾルデの原型となったケルトの伝承には女性主導の物語が多いらしい。


 もちろん、これは僕の勝手な解釈、感想。弱虫トリスタンなんて言っていると、ワグネリアンに怒られてしまいそうだし、連れ合いはイゾルデと離ればなれとなってしまった3幕のトリスタンはとても良かったと言っていた。


 4時間近くもある大作をテレビで全部見るのは、しんどくて、BGMとしてしか聞き通したことはなかったが、さすが生は違う。最初の前奏曲こそ眠気に耐えられなかったが、あとは結構、身を乗り出して聞いてしまった。


 ※NHKの放映予定は12月3日(金曜日)芸術劇場でした。

無駄な箱物・びわ湖ホールも奮闘中

 ところで今回のトリスタンとイゾルデは、10日と16日の2回の公演だったのだが、10日には大津祭もあった。というわけでチケットを持っている人10名を町家に招待し、2階から祭を見られるという「おまけ」をつけていた。


 また、今日は小ホールで結婚式をやっていた。


 なかなか面白い試みだと思う。

大津の今時タカビーなマンション

 びわ湖ホールに行く途中の浜大津駅にシニア型分譲マンション「ビジュールびわ湖」のパンフレットが置いてあった。
 浜大津から徒歩6分の湖岸沿いのマンションだが、40m2で2000万以上もするという。


 病院やクリニックと連携はしているようだが、特に介護に特別の体勢があるわけではなく、朝、昼、晩と営業しているレストラン、温泉、ライブラリー、そして京都造形芸術大学公開講座と連携しているといったところが売りらしい。


 それぐらいだったら、町なかに住めばなんぼでもあるじゃないか、と思うが違うだろうか。