社内引っ越し騒動

捨てて、捨てて、また捨てて


 営業部室から営業部が撤退し、編集&総務部と合流することになった。
 過密にならないように、この際、徹底的に物を捨てようということにしたが、出るわ、出るわ、ゴミ置場として空けた駐車場1台分がすっかり埋まってしまって、さらに相当量がはみ出している。


 今の社屋に移ってから15年。その間、印刷技術は電算写植と版下(印画紙)の世界から、フィルムレスのDTPへと変わってしまった。往時には大切だった版下も、トレースの原図も、糊が剥げて来て今さら使えない。版下づくりのための台紙も、まして手書きの原稿用紙もかなりの在庫があったのだが、捨てた。
 立派なトレース台も、版下を切るのに使っていた優れものの断裁機も、要らなくなった。


 手書きやワープロの時代には手紙類を閉じたファイルが頼りだったが、いまではほとんどがパソコンに入っている。いくらバックアップをとっていても、一瞬に消えてしまう怖さはあるが、今さら紙のファイルから探し出すことは滅多にない。
 だから、思い切って紙のファイルもほとんど捨てた。


 テープも、結構最近まで使っていたが、とうとうデジタル録音になってしまった。
 だからテープレコーダーも、テープも捨てた。
 35mmフィルムの一眼レフも使わなくなって久しい。


 こうやって捨てていくと、身軽になるのだが、過去を捨てていくようで、寂しい。

Xpマシンを買った

 それまで、共用のパソコンが身近にあり、常時三台を使い回していたのだが、そんな贅沢が許されなくなってしまった。
 せめて2台に減らそうというわけで、Xpが入っているノートを買った。
 もう新品では少なくなっていて、なんだか高い買い物になった。

 あと1台は、今では知る人も少なくなったNEC PC98君、MS-DOSマシンだ。
 これはテキスト整理には最適だし、幾つかはDOSでしか動かないプログラムも残っていて、その便利さが捨てられない。
 だが、いまじゃ骨董品。風前の灯火だ。


 とはいえ、栄枯盛衰は世の常。
 Xpも、過去の遺物になるのだろうか?