招特酒造・木村さん
環境市民主催の招特酒造の木村さんのお話を聞いてきました。
京都中心部で350年ほど前に創業。大正頃に伏見に移ったそうです。
京都大学農学部で演劇に熱中。(その頃、大学祭のお酒の仕入れにうかがった記憶がある)。卒業後、勤めていたが、日本酒が絶好調だったその頃から先代が純米酒に取り組み始め、それを見て仕事を継ぐことを決意したとか。
純米酒以外に、特徴が2つ。
一つは農家との連携。綾部市西山農場などに契約栽培をお願いしていること。そして農作業を手伝いに行ったり、逆に酒造の作業を見てもらったりと、親交を深め、あれだけ苦労して作られたお米だから大事にしよう、これだけ苦労してお酒をつくっているのだから良い米をつくろうという気持ちを高めているということ。
二つ目は杜氏の代替わりを期に、育ってきた女性を杜氏に抜擢したということ。会社に来たのもお酒が好きだったから。お酒を造るのもお酒が好きだから。好きな人が作り手になる時代だと考えているそうです。
60年もやっているやっているプロの杜氏さんと比べるとまだまだだけど、若い人が頑張っている。八方破れのところもあるけれども、酒の世界はオーソドックスなので、どんなふうにまとまっていくかが楽しみとのことでした。
なお、ワインの原料であるワインと違って米は移動しやすく、土地の米との結びつきは元々強くない。そのうえ、伏見は近江や福井のお米を使うのが伝統。でも、それでは売りにくいので、京都のお米でつくったとうたえるようにしている。
ただ京都の米作りは危機的な状況で、府の予算も少なく、農商工連携などの補助金も、工場栽培のような新規技術には出やすいが、今までやってきたことを維持することには出にくい。西山農園は全国で一番若い28歳の農園主と評判だけど、耕せる面積には限界があり、耕作放棄地の管理を頼まれても、もう引き受けられない状態。せめて少しでもお酒を売ってお米の需要を増やしたいとのことでした。
なお会場の「かぜのね」は出町柳近くの安物のアパートを改造して、集会室やカフェにしたところ。ぎりぎりの改装という感じで、さすがに入口は良い感じに写っていますが、全体的にはおしゃれとはほど遠いものでした。
おじさん向けって感じですが、うまく回るのかなあ。