サーフィンUSB


 28日の夕方から、ヨーロッパ企画のプレビュー公演にいってきた。会館の会員だと1000円で見られる。昨年までは正規の公演も1000円だったが、今年は1000円ではプレビューしか見られなくなった。


 ヨーロッパ企画同志社出身の人たちがやっている京都の劇団。代表作「曲がれスプーン」は映画になった。


 ビックウエーブと大いなる水の期間の後、自然のあらゆる脅威からバリアで守られたアキバパークの外、工場排水で汚れた海でサーフィンに生きる落ちこぼれの若者たち。
 そこへ、アキバパークから営業マンがやってくる。
 新開発のサーフィンボードを使ってもらって、サーフィン体験のデータをUSB端子を通してサーバにアップ。3D&体感装置をつけたユーザーは、そのデータをダウンロードしてサーフィンを疑似体験する。


 1ダウンロードにつき1円の報酬が出るうえ、ダウンロードのランキング上位100名は、アキバパークの焼き肉にペアでご招待。それも合成肉ではなくて、本物の天然の焼き肉だ。


 最初はサーファー魂がデータ化なんて許さないといっていた若者たちも、1人を除いてランキングに夢中になってしまって・・・といったお話。


 ちょっと深刻なこと、地球温暖化や公害問題、情報化のいびつさも口にするが、常に自らを含めてちゃかしてしまう。
 物語の進行とはさして関係なく、ハンバーガーの食べ方ひとつに、まるでお茶の世界のような拘りをしつこく言ってみたり、せっかく盛り上がりそうになったら、さっさと暗転したり。
 感動はなにもないが、軽い笑いがつづく。


 演劇は滅多に見ない。数年前に1000円に惹かれて見てみたが、見なれてくると空気に慣れてしまって楽しめる。ちなみに満員御礼だった。(東京公演は8月4日から15日まで東京・下北沢の本多劇場。ウィークデーは空席ありの様子。行ってやってください。)