ギア:バージョン2


 「言葉を全く使わず五感を刺激することで楽しむ日本初の公演」という触れ込みで4月から始まったギアのバージョン2を見てきた。
 会場はアートコンプレックス1928。1928年に武田五一氏の設計により建てられた大阪毎日新聞社京都支局ビルを建築家・若林広幸が買取りコンバージョンしたビルだ。正面から入って狭い階段を上っていく。それだけで秘密の劇場にいくようなワクワク感がある。
 客席はわずか100席。舞台がとても近い。


 ストーリーは、廃棄されたおもちゃ工場に取り残された人間化したロボット「ロボロイド」と、製造されたおもちゃの女の子がふれ合い、どういうわけか人間の心を持つようになるという内容。
 ただ言葉がないから細かいところは分からない。
 大ざっぱなストーリー展開にあわせ、あるいは唐突にパフォーマーが、マイム、ブレイクダンス、マジック、ジャグリングを披露してくれる。
 お客さんの入りは半分ほど。はじまってしばらくして子どもが泣き出してしまったが、途中からは見入っていた。その子をはじめ、小さな子ども連れが多かった。


 名取造船所跡地のクリエイティブセンター大阪を訪ねたとき、ブラックチェンバーという部屋でギアの練習をしていたが覗いてみたら面白かったという話を聞いて、それではということで、バージョン1を見に行った。
 そのときイヤイヤついてきた嫁さんが気に入ってしまって、バージョン2も見に来たというわけ。一つの役を数人で分担しているが、マイムとドールの人は前回と同じだった。
 マイムの岡村渉さんはとても良い。マジックは前回の山下翔吾さんのほうがロボロイドらしかった。ブレイクダンスは前回は印象に残らなかったが、今回はいけていた。


 プロデューサーは小原啓渡さん。
 トライアウト2010年にはじまり、2012年4月から京都でロングラン公演。7月末までがバージョン1、9月から来年2月までバージョン2。すでに公演回数は200回を超え、観客動員ももうすぐ1万人とか。
 ただ2月11日には改訂のためにバージョン2は千秋楽を迎える。バージョン3の詳しい情報は公開されていないが、是非、続いて欲しい。また見に行きたい。

(おわり)

○ギア
http://www.gear.ac/