金丸弘美『幸福な田舎のつくり方』 読んでいると心が温かくなって気持ちが前向きになる例ばかり


 『田舎力』を書かれた金丸さんにスタッフの宮本がアタックしてものにした本だ。
 『県庁おもてなし課』の巻末対談にも参加されていて、その繋がりからか、帯には有川浩さんが「この一冊で観光小説が何本も書けそうです」という推薦を寄せて下さっている。


 「人を呼び、経済をまわす田舎力」がテーマ。
 紹介されている例は、金銭の規模は小さい。カフェと食堂で年商3億とか、鮮魚店で2億とか言った例だし、道の駅でも4億とか10億に過ぎない。イオンの5兆543億円(連結、2010年)とは比べるのも虚しい数字だが、読んでいると心が温かくなって気持ちが前向きになる例ばかりだ。

 たとえば阿蘇一の宮門前町商店街。ここは商店街も「馬コロッケ」「田舎いなり」といった商品開発や「お座敷商店街」といったイベント、一店一店から始まった景観づくりなどが実を結び、今では空き店舗が2件に減っているという。
 「良いな」と思えるのは、近くの旧女学校を利活用した店舗との協調・協力だ。
 この女学校に惚れ込んで移り住んだ木下さんは、熊本のサンワ工務店の山野さんのアドバイスを得て建物を改装し、骨董店と流しソーメンのお店を開いた。また山野さんの紹介で橋下さん、土持さんがやってきて古道具店とフランス雑貨・カフェの店を開く。
 橋下さんたちの店ができたとき、宮門前町商店街の杉本さんたちはお客さんに新しいお店を紹介するなど積極的に応援したという。また橋下さんのアイデアで、阿蘇神社の境内や商店街を「旅する蚤の市」が開かれるようになり賑わっているという。

 創造都市っていうと都会のものというイメージだけど、こういうふうに新旧のものが混じり合って新しいものが生み出される町は小さくても創造的なんじゃないだろうか。

 そのほか、元気をくれる例が一杯載っている。

(おわり)
 

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幸福な田舎のつくりかた: 地域の誇りが人をつなぎ、小さな経済を動かす

○金丸弘美を囲むワンコイン勉強会 2回目
     「日本の農業の実情を知ろう。
      〜実践例にみる農復活に必要なコト。自給率ってどうなる?」

・日程:2012年11月15日(木)
・時間:18時30分〜20時40分 ※18時10分開場。
・会場:目黒区目黒1−3−2(マンション)アクティ目黒駅前
    集会場の第二会議室 JR、地下鉄「目黒」駅より徒歩3分、
・参加費:500円※当日、お支払いください。
・定員:30名 ※定員になり次第締め切りとのことです。
・呼びかけ人:藤原ゆきえ、則竹知子、小口達也、加藤潤子、北方美穂
詳細
http://www.banraisya.co.jp/kanamaru/yotei/yoteidetail.php?&no=385&a=1
http://www.banraisya.co.jp/kanamaru/data/yotei/yotei385.pdf