自転車を生かしたまちづくり


 今、古倉宗治さんの「自転車を生かしたまちづくり(仮)」の原稿を整理中だ。
 僕は昔、スタッフと一緒に渡辺千賀恵さんの『自転車とまちづくり』(1999年)をつくった。当時はまだ、土木学会では「自転車なんて学者がやるものではない」という雰囲気が残っていたし、本もほとんど出ていなかった。だからか、見込み買い切りがほとんどない専門書なのに、TUTAYAが200冊も買ってくれた。
その後、続編の可能性を探っていたのだが、昨年、古倉さんと出会ってようやく実現できた。古倉さんは世界の自転車政策にも通じているし、自治体の自転車政策の現場にも詳しい。内容はボチボチこのブログでも紹介してゆきたい。


 ところで、このブログは「はてな」を使っているのだが、見ていたワイフが「「はてな」といえば、自転車通勤で有名な京都の企業だよ」と教えてくれた。
 さっそく調べてみると、これが凄い。


 駐輪場完備、ミストサウナ付きバスルーム、そして年間24万円の自転車通勤手当が出るという。そのうえ会社負担での自転車保険への加入。もう、至れり尽くせりだ。
 社員の「東京で勤務していたときには毎日往復3時間かけて通っていましたが、春からの京都オフィス勤務でロード通勤を初めて体験したところ、今まで自分はどうして毎日満員電車の苦痛に耐えて通勤していたんだろう。ロード通勤最高!と思った」との声が紹介されている。


はてな広報ブログ
  http://d.hatena.ne.jp/hatenapr/20090909/1252464390


 なお、はてなの記事にたいして、「徒歩通勤で一番怖いのが自転車」とのコメントが書かれていたが、実際には車の事故と比べればまだまだ少ないし、重傷を負わせる例は非常に少ない。しかし、ヒヤッとすることが多いのは事実。

 この解決策は簡単。自転車は車道を走れば良い。古倉さんはここまで乱暴な言い方はしないが、主要国で歩道に自転車をあげているのは日本だけで、その結果、歩行者との事故だけではなく、横道や建物等から出てくる車に自転車がはねられる事故が多いという。


 車道を走ると危ないと言われるが、実際には車道上での事故割合は少ないというデータが出ている。
 なぜなら、自転車が見えたら、今のドライバーはそれなりに注意するからだ。
 だから、日本の交差点での自転車の扱いが事故を誘発している。世界的には交差点はまっすぐ走る。これが常識だという。


 というわけで、僕はよほどのことがない限り、歩道は走らないことにしている。


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