遅咲きのヒマワリ(3) 地域おこし協力隊

第三話はちょっと感動的。 東京の大学を体よく放り出されて田舎の市民病院でふてくされていた二階堂かほりは、患者さんに適量の倍の処方をしてしまった。案の定、患者さんは容態が急変。ベテランの看護士から、「なにやっってんだ」なんて言われ、陰では「東…

サキドリとカンブリア宮殿

NHKサキドリ『秋本番!知って得する?サイクリング新事情』(11.4) 今日のサキドリは「サイクリング新事情」。最近は女性のサイクリストのことをチャリーナということを知った。ネットで探してみると、キレイ女子自転車部「チャリーナ」というサイトがちゃん…

山崎亮『コミュニティデザインの時代』

山崎さんの『コミュニティデザイン』に続く単著。 『コミュニティデザイン』が彼が取り組んできたプロジェクトを軸に、彼の考え方と技の発展を辿る本だとすると、こちらは「コミュニティデザイン」をざっくりと整理して述べた本だ。 僕たちの本を含めて共著…

遅咲きのヒマワリ(2) 地域おこし協力隊

第一話の終わりに出てきた四万十川をまたぐ鯉のぼりは凄かった。 四万十は美しい。丈太郎が住んでいる家も、とても良い。ドラマを見て、四万十にいきたくなる人が一杯いそうだ。 第二回は、甲子園出場をかけた県大会の決勝でエースだった松本弘樹君にスポッ…

西辻一真「ETV特集・被災農家を救え・若きビジネスマンが挑んだ農業再生550日」

ETV特集で西辻さんの被災地での活動が特集されていた。 西辻さんは、耕作放棄地ゼロ化をめざし、2007年に京都で農業ベンチャー「マイファーム」を起業。全国で80ヶ所の体験農業を展開するまでになり、注目されていた。 その経緯は『マイファーム〜荒地…

ヨアン・S・ノルゴー、ベンデ・L・クリステンセン著、飯田哲也訳『エネルギーと私たちの社会』

これは1982年にデンマークで出版され、日本では2002年に訳された本だ。だから書かれてから30年、訳されてからでも10年経っている。 興味深いのは、このころ、デンマークでも原発をめぐる議論が盛り上がっていたが、70年代の反原発派の主張は「原発の廃止分は…

リンダ・グラットン『ワーク・シフト』

孤独と貧困から自由になる働き方の未来図<2025>という触れ込みで、今売れている本だ。400ページを超えて上製で2100円と抑えた価格だし、読みやすい。その点は凄い。 ただ、著者も書いているが、すでにいろいろ言われていることのパッチワークで…

遅咲きのヒマワリ(1) 地域おこし協力隊

地域おこし協力隊員が主人公のドラマ、遅咲きのヒマワリが始まった。 初回は東京であぶれてしまった小平丈太郎(生田斗真)が四万十に赴任。おばあちゃん、おじいちゃんの世話をしているうちに、一番親切にしてくれた隣の大村おばあちゃん(倍賞美津子)が倒れ…

裏寺町のマンション反対、立誠小学校、BaoBab

裏寺町のマンション反対 京都国際舞台芸術祭のフリンジ企画とかで立誠小学校で公演があったので見に行った。 途中、裏寺町の路地を通ると、お寺の前に「宗教的雰囲気を壊すマンション反対!」といった看板が出ていた。 昔、映画館やモーツアルト(ケーキ屋さ…

小熊英二『社会を変えるには』

これはまちづくり関係者にも是非読んで欲しい本だ。 本の焦点は「デモ」だが、「デモ」が抱える問題、可能性は、まちづくりで盛んに言われてきた「参加」「参画」に通じている。ともに、選挙で選ばれた首長さんや議員さんにお任せするだけでは足りない、それ…

西部講堂&日仏学館

久しぶりに西部講堂に行ってきた。もう何十年と中に入っていなかったように思う。 イベントは『関西クィア映画祭2012』。「タイヘン×ヘンタイ」をキャッチコピーに、「性のあり方は多様だ。私たちは生きていける」というコンセプトの映画祭だ。 見たのは…

孫崎亨『戦後史の正体』

アマゾンでコミックなどを除くと総合1位だったので、買ってみた。 元外務省・国際情報局長が書いた、米国からの圧力を軸に戦後70年を読み解いた本とのふれこみだ。 書かれていることは、そんなに目新しいことばかりではない。 たとえば、負けたとたんに、…

リア・ロドリゲス 『POROROCA』&三文オペラ@びわ湖ホール

昨日、今日と、珍しいものを見てしまった。 昨日はアルティに来ていたリア・ロドリゲスの『POROROCA』。ブラジルのリオのスラム、マレ・ファベーラに本部兼ワークショップスタジオを構え、人々と関わりながら創作している集団だという。 解説によれば「猥雑…

乾久美子&山崎亮著『まちへのラブレター』

山崎さんの本は、このところ山のように出ている。 僕たちもお願いしての結果とはいえ「ようこんなに出せるなあ!?」と感心してしまう。一応、たいがいの本は目を通しているが、そのなかで『コミュニティ・デザイン』の次に興味深かった本だ*1。 ただ、一…

宗田好史『イタリアの村はなぜ美しく元気かなのか』その3

先日書いた四つの出来事に続き、今度はイタリアの農村が捉えた三つの変化とはな何か。 三つの変化 第1は農業政策の転換だ。 イタリアの農村は戦後の農地解放も不十分だったため、多くの問題をかかえ呻吟していた。ところがイタリアは国際社会への復帰に熱心…

「ALTY芸術劇場〜井上道義 オーケストラアンサンブル金沢」

暑くてパソコンを触る気分になれずに、随分間があいてしまった。先日書いた宗田さんの本の続きも書かなきゃ行けないんだけど、今日は別の話題にしよう。[:W400] 近くにあるアルティというホールで「ALTY芸術劇場」がスタートした。上質な公演と四季折々のお…

宗田好史『イタリアの村はなぜ美しく元気かなのか』その2

帯では「農村観光・有機農業 成功には理由がある」と書いた。 どんな理由なのか。まず、きっかけとなった動きから見てみよう。 四つの動き 第1は1965年、元侯爵シモーネの主導で誕生したアグリツーリスト協会の動きだ。当初は没落した貴族の若旦那の夢物語…

宗田好史『イタリアの村はなぜ美しく元気かなのか』その1

宗田好史さんの新作『イタリアの村はなぜ美しく元気かなのか〜市民のスロー志向に応えて農村の選択』ができた。 宗田さんはイタリアの専門家で、いままで『イタリアのにぎわいまちづくり』など、イタリアの旧市街地の保存から都市政策・観光政策について語っ…

[本の紹介]山納洋『カフェという場のつくり方』

スタッフの岩崎君が力を入れてつくった本だ。 コモンカフェを運営している著者が、生き方としてのカフェにエールをおくり、続けるための心得やノウハウを書いている。 だから、自分たちの居場所をつくろう! カフェを起業しようという方は、読まれると良いと…

茶谷幸治『「まち歩き」をしかける〜コミュニティ・ツーリズムの手ほどき』

これは『まち歩きが観光を変える』を書いて下さった茶谷幸治さんの新刊だ。 前著は長崎さるく博のドキュメントだが、その後、大阪あそ歩のプロデューサーをされた経験も踏まえて書かれたまち歩きの入門書である。 驚くのは「まち歩き」への愛情と拘りの深さ…

【環境デザイン学科】公開特別トークイベント 『原発と環境デザイン』

京都造形芸術大学で行われた公開特別トークイベントを聞いてきた。 一番興味深かったのは竹内さんが紹介されたムカヒ・ウガンダ大統領のリオ会議スピーチだ。いま、世界で注目されているそうだが、その最後に、「発展は人類に幸福をもたらすものでなければな…

新雅史『商店街はなぜ滅びるのか』

ちょっと評判になっているので読んでみた。 昨年の関沼博『フクシマ』、古市憲寿『絶望の国の幸福な若者たち』に続き上野千鶴子さんの薫陶を受けた若手だとのこと。 新さんのこの本も、新進気鋭らしく、すごく大きな視点から思い切った素描を試みていて面白…

佐伯啓思『成長経済の終焉〜資本主義の限界と「豊かさ」の再定義』(2003)

経済成長と幸福、豊かさについて書かれた本を探していて出会った一冊。 2003年というと十年ほど前だが、すでに「高度経済成長は・・・人口増加社会であり、そして経済的な「豊かさに」人々が飢えていた状況の産物であった」と書かれていた。 当時、構造改革…

ダグラス・スミス『経済成長がなければ私たちは豊になれないのだろうか』

山崎亮さんと藻谷浩介さんの『経済成長がなければ、僕たちは幸せになれないのか』という本を紹介したが、この本のなかで、山崎さんが対談のヒントとなった本として紹介された本だ。 ただ、普通の本じゃない。 戦後の経済学を見事に「ちゃぶ台返し」してしま…

藻谷浩介、山崎亮『藻谷浩介さん、経済成長がなければ僕たちは幸せになれないのでしょうか? 』

昨年7月、同名の対談をスタッフの井口さんがしかけ、1年かけて本にまとめた。 もともとは『コミュニティデザイン』の広報の一環で、ホームページに載せる対談を藻谷さんにお願いしたところ、話が弾み、対談をすることになったものだ。 山崎さんの"藻谷浩介…

京都の地域景観づくり協議会制度

同じく京都市市民しんぶんに、地域と建築主の意見交換を義務づける「地域景観づくり協議会制度」の宣伝が載っていた。景観まちづくりの方針等を定めた計画書を市が認定すると、対象の地区内で建物を建てようとする者に、できるだけ早い段階で協議会との意見…

プランナーとプレイヤーの両立は可能か?

4月以来、ブログに手を掛けるヒマと元気がなくなって、書いてあったものもアップするのを忘れていた。 というわけで時期遅れだけど、せっかくだからアップしておこ。 ※ 2012年度第3回都市環境デザインセミナー「プランナーとプレイヤーの両立は可能か?」…

スノーホワイトと書店ガール

久しぶりに時間ができて、嫁さん希望の映画スノーホワイトを見てきた。 それなりに面白かったけど、批評を書くとなると良いことが書きにくい。 グリム童話のヒロイン像を塗り替えて見せたという意味では、シンデレラ像を書き換えたエバーアフター(1998年)…

山内道雄『離島発 生き残るための10の戦略』

海士町の町長さん、山内道雄さんが2007年に書かれた本。 帯には「財政破綻前夜、生き残りに向けて立ち上がった離島の町。難問解決のヒントがここにある」と書かれている。 実際、島丸ごとブランド化など果敢な取り組みが書かれているが、一番気になったのは…

三浦しをん『舟を編む』、大崎梢『プリティが多すぎる』

どちらも編集者が主人公の物語。 三浦しをん『舟を編む』は売れているとは聞いていたが、アマゾンを見に行くと堂々1位だった。4月10日に本屋大賞をとった影響もあるのだろうが、凄い売れ行きだ。ちなみにジュンク堂系列の売れ行きをみてみると、この1ヶ月…